世界連邦のヒント おすすめの本・7「ローマから日本が見える」
おすすめの本・7
「ローマから日本が見える」 塩野七生 集英社文庫 648円
古代ローマに世界連邦のヒントがある。
以下、主に本の第1章「なぜ今古代ローマなのか」の内容。
1.カエサルは人種・民族・宗教が違っていてもローマ市民と同等の権利を与えた。
「ローマ史をひもとけば、属州出身の皇帝は少しも珍しくない。現在のスペインやフランスといった文明化の度合いの高かった地域はもとより、北アフリカ、シリア、ドナウ河流域といった後進地域からも皇帝が登場したのです。ローマは皇帝でさえも、その出身地や出自による差別はしなかったのです。」
「はたしてイギリス帝国はその植民地の人々にイギリスの市民権を拡大したり、そのうちの有力者に英国議席を与えたか。」
「現在のアメリカ帝国主義においてはたして民族の違い、宗教の違いは許容されているか」
2.
「ローマ帝国が滅びて1000年近く、滅び去ったローマのことを忘れていた。それが中世です。
が、ルネサンスの時期、古代ローマに興味を持つ人々が現れる。
キリスト教が1000年ヨーロッパ人の精神を支配してきた。が、ヨーロッパ人の人間性は向上したとは思えない。
人間の存在自体が、宗教によって変えようもなしほど悪に対する抵抗力がないからではないか。こうした人間世界を変えていこうとすればまずこうした人間性の現実を冷静に直視する必要がある」
「ローマ人はキリスト教会のように宗教によって人間性が改善できるとは考えませんでした。また、古代ギリシア人とも違って、哲学によって向上するとも思わなかったのです。
それでいて人間に絶望していたわけではない。人間の中には善なるものもあれば、悪もある。その善を少しでも伸ばし、悪を減らす努力していくべきではないか。
このようにリアリズムに徹して人間を考えたのがローマ人であり、そのリアリズムを再び復興させようとしたのがルネサンスの時代の人々だったのです。
2章以下では、具体的なローマの歴史を語りながら、日本の政治のこともちょこちょこ語る。
以前からこの著者による「ローマ人の物語」には興味を持っていたが、そちらはひたすらローマの歴史を語るだけで、そこから教訓を引き出したり、日本と比較したりについての記述がない。ということで、この「ローマから日本が見える」の方がおすすめである。
オタクのコーナー
カブトムシは入れ物に土を入れてオスメスいっしょに飼っていれば簡単に卵を産む。
ところがクワガタは難しい。クワガタは木の中に卵を産む。
この木の選定が難しいのだ。
夏休みにそこらへんのスーパーで売っている産卵木ではだめである。細すぎて硬すぎる。
くわがた専門店で太くて軟らかいのを買い、一日重石で水の中に漬け込んで軟らかくするのだが、それでも硬いのが多い。
硬いと産卵しないし、あるいは産卵後、毎日霧吹きで水分補給しても、中まで水分が入らず、幼虫が中で干からびて死んでいたりする。
今回もその犠牲が出た。
買ったうち、3本くらいの木が硬すぎて、中まで水分が入っていかない。
表面近くにいた幼虫を何匹か救出したが、後はもうだめだとあきらめていた。
ところが、ヒラタクワガタだけしぶとくて、硬くて乾燥している木の中で強引に育っていた。ある日、木を食い破って外に脱出した幼虫を発見。驚いて木を少しずつ割ったら、6・7匹の幼虫が採れた。よくこんなひどい環境で生きていたものだ。
ヒラタつながりで、昨年落選した前渋谷区議会議員、平田さんにも頑張ってほしいものだ。
それにしても、クワガタ飼育でも結構面倒くさいので、子育てしている人たちはすごいなあと思う。
「ローマから日本が見える」 塩野七生 集英社文庫 648円
古代ローマに世界連邦のヒントがある。
以下、主に本の第1章「なぜ今古代ローマなのか」の内容。
1.カエサルは人種・民族・宗教が違っていてもローマ市民と同等の権利を与えた。
「ローマ史をひもとけば、属州出身の皇帝は少しも珍しくない。現在のスペインやフランスといった文明化の度合いの高かった地域はもとより、北アフリカ、シリア、ドナウ河流域といった後進地域からも皇帝が登場したのです。ローマは皇帝でさえも、その出身地や出自による差別はしなかったのです。」
「はたしてイギリス帝国はその植民地の人々にイギリスの市民権を拡大したり、そのうちの有力者に英国議席を与えたか。」
「現在のアメリカ帝国主義においてはたして民族の違い、宗教の違いは許容されているか」
2.
「ローマ帝国が滅びて1000年近く、滅び去ったローマのことを忘れていた。それが中世です。
が、ルネサンスの時期、古代ローマに興味を持つ人々が現れる。
キリスト教が1000年ヨーロッパ人の精神を支配してきた。が、ヨーロッパ人の人間性は向上したとは思えない。
人間の存在自体が、宗教によって変えようもなしほど悪に対する抵抗力がないからではないか。こうした人間世界を変えていこうとすればまずこうした人間性の現実を冷静に直視する必要がある」
「ローマ人はキリスト教会のように宗教によって人間性が改善できるとは考えませんでした。また、古代ギリシア人とも違って、哲学によって向上するとも思わなかったのです。
それでいて人間に絶望していたわけではない。人間の中には善なるものもあれば、悪もある。その善を少しでも伸ばし、悪を減らす努力していくべきではないか。
このようにリアリズムに徹して人間を考えたのがローマ人であり、そのリアリズムを再び復興させようとしたのがルネサンスの時代の人々だったのです。
2章以下では、具体的なローマの歴史を語りながら、日本の政治のこともちょこちょこ語る。
以前からこの著者による「ローマ人の物語」には興味を持っていたが、そちらはひたすらローマの歴史を語るだけで、そこから教訓を引き出したり、日本と比較したりについての記述がない。ということで、この「ローマから日本が見える」の方がおすすめである。
オタクのコーナー
カブトムシは入れ物に土を入れてオスメスいっしょに飼っていれば簡単に卵を産む。
ところがクワガタは難しい。クワガタは木の中に卵を産む。
この木の選定が難しいのだ。
夏休みにそこらへんのスーパーで売っている産卵木ではだめである。細すぎて硬すぎる。
くわがた専門店で太くて軟らかいのを買い、一日重石で水の中に漬け込んで軟らかくするのだが、それでも硬いのが多い。
硬いと産卵しないし、あるいは産卵後、毎日霧吹きで水分補給しても、中まで水分が入らず、幼虫が中で干からびて死んでいたりする。
今回もその犠牲が出た。
買ったうち、3本くらいの木が硬すぎて、中まで水分が入っていかない。
表面近くにいた幼虫を何匹か救出したが、後はもうだめだとあきらめていた。
ところが、ヒラタクワガタだけしぶとくて、硬くて乾燥している木の中で強引に育っていた。ある日、木を食い破って外に脱出した幼虫を発見。驚いて木を少しずつ割ったら、6・7匹の幼虫が採れた。よくこんなひどい環境で生きていたものだ。
ヒラタつながりで、昨年落選した前渋谷区議会議員、平田さんにも頑張ってほしいものだ。
それにしても、クワガタ飼育でも結構面倒くさいので、子育てしている人たちはすごいなあと思う。