日本が入っていない条約「個人通報権」 | アトラス塩浜のブログ

日本が入っていない条約「個人通報権」

国連総長「死刑執行の停止を」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=639880&media_id=2

この機会に、国際人権規約についての課題を紹介しよう。
日本も国際人権規約には入っている。が、入っていない部分があるのである。

条約というものは、あまり理想的なものにすると、入る国が少なくなってしまう。かと言って、どんなにろくでもない国家でも簡単に入ることができるような内容にしてしまえば、あまりに現状と同じで、条約を作る意味がない。

そこで妥協案として、大学でたとえれば、「必修科目」と「選択科目」に分けるようなことが行われる。
「条約に入るなら、ここは絶対守ってね」という部分と、「ここは必修ではないけれど、できることなら、ここも入ってもらえると嬉しいな」という部分に分けるのである。
後者を「選択議定書」と言う。
日本は必修科目はとっているが、「選択議定書」に入っていないのだ。覚えておこう。
選択議定書の1つは死刑廃止の問題。これは有名な論点なので解説を省略する。
もう1つ、「これに入らないとあまり意味がない」と思うような「個人通報権」という「選択議定書」について解説しよう。

国際人権規約に入ると、政府には人権を守るいろいろな義務が生じるとともに、5年に一度「わが国ではこんな風に人権を守っています」と報告する義務を負う。
でも、これだけでは、政府は「うちはよくやっていますよ」と言うに決まっているではないか。

そこで、人権侵害された個人の側から、「いや、政府はそんなきれいごと言っていますけれどね、本当はこんな人権侵害が行われているんですよ」と通報する権利を認めようというのが「個人通報権」についての「選択議定書」である。
日本はこれに入っていない。
やましいことでもあるのだろうか。

さて、国際人権規約に基く規約人権委員会では、毎回ボロクソに日本が非難される。
どういう点が突っ込まれるか注目していてほしい。
過去印象に残る発言は、
「日本は経済では先進国だが、人権では後進国ですね」
「日本は警察に対して人権の教育を行う必要がある」
など。
代用監獄・婚外子差別の問題などは毎回突っ込まれる。

それにしても、いつもこういう報道が少なすぎる。
また、現在日本で一番大きい自民党、2番目の民主党のいずれも、こういうことに詳しい議員が少ないのが困り物である。幸い、マイミクには政治家志望の人が多い。上から目線の言い方で申し訳ないが、せめてこのブログで知識を補充してほしい。

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