世界連邦支部イベント報告 | アトラス塩浜のブログ

世界連邦支部イベント報告

9月6日午後6時より学士会館にて世界連邦運動協会の支部の1つ、NPO法人アジア連邦21の主催による世界連邦実現講演会が開催された。

国際平和協会会長の伴武澄氏より「世界連邦の可能性と課題」という演題で講演があった。要点は概ね次の通り。
EUができる元となったのはESCS欧州石炭鉄鋼共同体である。フランスとドイツの境目にあるアルザス地方は鉄鉱石がよく採れる。ここをフランス とドイツで取り合っていたことは、「最後の授業」という有名な物語にも書かれている通り。戦勝国であるフランスの側から「ここを共同管理しないか」と持ち かけ、欧州石炭鉄鋼共同体ができ、やがて関税撤廃、市場統合、EC、EUと発展し、通貨統合もなされていった。今、EU憲法について、一部の国から否決さ れたりして難航しているが、こういった歴史は世界連邦を実現するにあたって参考になる。また、フランス・イタリア・ドイツ・デンマークなどの憲法には国家 の上部機関ができた場合には主権の一部を委ねる旨が書かれている。
こういうことを欧州だけでなく、アジアでも行うべきである。

賀川豊彦は資本主義でも社会主義でもない経済を作らねばならないという考えで1920年からコープ神戸を作った。現在会員は150万人にもなって おり、最盛期のダイエーでもかなわない。また、賀川豊彦の「キリスト教兄弟愛の経済」は日本語以外のほとんどの語で翻訳されている。我々は、彼のような自 分たちの先輩がやった偉業をもっと評価すべきである。アニメ・プリウス・ウォークマンも日本の誇るものかも知れないが、人生観を変えるような、魂を揺すぶ るような思想を日本から発信したいものである。

北朝鮮の問題については、ソ連崩壊後、原油を国際価格、しかも現金で要求されるようになり、発電所、ついで化学工業がストップ、農薬や肥料が作れず飢饉が発生したという背景を理解する必要がある。そして、どんな場合でも相手を交渉相手として認めなければ問題は解決しない。

この後、ホジャトルイスラムの澤田達一氏がイスラム社会と日本の風習の違いに触れ、風習が異なる人々を受け入れる心を持ってほしいと強調した。田 代かずこ氏は拉致問題に比べてメディアに取り上げられることが少ない北朝鮮在住日本人妻の問題について語った。河正雄氏は長崎原爆で1本だけ生き残った柿 の木を韓国に植える活動について述べた。秋山昇氏は家族に反対されながらも北朝鮮に救援米を持参した体験を語った。