GW中のある日の朝。
時刻は9時20分。
いつものように行きつけのガイアの立体駐車場へ到着する。
しかし、そこにいつも通りの光景はなかった。
というのも車の数がいつもとは桁違いなのだ。
普段であれば2~30台、休日であってもその1.5倍程度だろうか?
(3階…ダメだ空いていない。)
我が街はパチンコ店が多く、選択肢が広い。
わざわざ朝からガイアに突撃する奇特なパチンカーは多くないというのに、今日は一体どういうことだ。
(4階も全然…おっ運良く丁度1台出て行ったな。)
ぽつんと1台だけできたスペースに車を滑り込ませる。
(ええと、Bのエレベーターの4階、出てすぐ右だな)
しっかりと覚えておかなければ。
どこに停めたか忘れてしまえば立体駐車場をぐるぐると彷徨うハメになる。
あんな思いはもうしたくない。
エレベーターの前にはなぞなぞが張り出されている。
パチンコ店のなぞなぞとはいえオススメ示唆などではなく、エレベーターの待ち時間で少しでも楽しんでもらえるようにとのガイアからの心遣いだ。
問題文は各階のエレベーターの前と中に、正解は1階でエレベーターを降りた先に貼ってある。
俺もいいおじさんなので、子供だましのなぞなぞなんぞで熱中することはない。
しかし、なぞなぞはガイアのおもてなし精神。
おそらくはなぞなぞ集の本か何かの内容を丸コピしたものだろうが、問題と解答の10枚程度を毎朝張り替えてくれているその心意気が嬉しい。
俺は他人のポジティブな想いはなるべく素直に受け取り、ポジティブに返すことにしている。
というのも、自分のためだ。
己の気持ちや感情は食事のようなもので、食べたもので形作られる。
負の感情が渦巻いてしまえば何事をも楽しむことができなくなってしまう。
現代は様々な意見と容易に繋がることができ、自分の立ち位置を意識していなければ精神は簡単に負に振れてしまう。
「ありがとう」は人の為ならずだ。
世の中の真実がどうであろうと俺は俺の人生を生きている。
自分の生活する範囲が優しさに溢れている場所なのだと信じた方が、俺の人生は豊かになる。
今俺が俺の為にするべき思考は、「なぞなぞを張り出してくれている人をイメージし、その心意気に応える」だ。
このなぞなぞの価値を高めるのは俺の仕事だ。
しっかり向き合おう。
いつもありがとう店員さん。
自分に課しているルールは、答えの前に着くまでに正解できれば勝ち、わからなければ負けというもの。
さて、今日の問題は…
(うーん、バッターねぇ。)
(”ヒット”、”当たらん”、”空振り”、”打てない”…)
「チーーーーン」
到着したエレベーターに乗り込む。
(ううーーーーーーーーん)
(野球知らねえんだよな)
(投げて打って取るまでがギリで、その後どこに投げるかとかよう知らん)
(なんか聞き馴染みのない専門用語があんのかも?)
エレベーターは1階へと降りていく。
答えとの対面までもう時間がない。
あと6秒、5秒、4秒…
(ええと、”戦犯”、”気分屋”、”打ったー”、”打ったーボックス”…)
(…打ったーボックス?)
エレベーターの扉が開く。
タイムアップだ。
(ああ~~~~~~~)
(なるほどね~~~~~~~)
(これは頑張れたな。)
(もうちょい時間があれば答えられてたきっとそう絶対分かった。)
(エレベーターが来るのが早かったのが敗因だから引き分け引き分け運の問題。)
今日も負けなかった。
さて、なぞなぞタイムは終わりだ。
今日は異様にごった返してるが、狙い台が取れるだろうか?
目的の台に向かって歩く。
しかし目当て機種の台数は1台限り。
この混雑具合では無理かもしれ…
(………ああ~~~~~~)
(あ~~~~~~~~~ね!!)
この日は令和5年5月5日。
令和で1度の5が3つ並ぶ日。
ジャグラーのシマは100台は越えているというのに、空き台が見えないほど賑わっていた。
なるほど。
駐車する時に丁度1台空いたのもそういうことか。
朝一でもう帰るなんてと違和感を覚えたが、狙いのジャグが取れずに別の店に行ったのか。
そうかそうかなるほど。
令和に1度のジャグの日か。
まぁ、俺には関係のない話だ。
光り物は面白さがよくわからない。
リーチ目機の面白さを覚えたのは二十歳頃だったろうか。
(出目で察知するのがノーマル機だろうが。)
あの頃の俺はリーチ目の楽しさに取り憑かれていた。
パチスロと言えば出目機。
ノーマル出目機こそパチスロの華であるのに、当選をランプなぞで告知するのはどういうつもりか。
ジャグラーというのはけしからん。
こんな台を打っている奴はきっとパチスロではなく金が好きなだけなのだと、そう信じていた。
もちろん、これはただの気分だ。
自分が何となく興味が持てないだけなのに、自分の興味のある世界だけを認め、それ以外を貶すことで、気持ちよくなりたかっただけだった。
出目機が好きと言えど、知識自体は非常に浅かった。
当時自宅にはサンダーVがあり、たまに回しはしていたが、碌にリーチ目もわからなかった。
「俺はジャグラーを喜んで打っているアイツらとは違う」と、「パチスロはもっと崇高な遊びなのだ」と、そう思い込みたかっただけ。
好きの半分はファッションだった。
二十歳過ぎの俺は出目機と自分に酔っていた、そんなガキだった。
しかしそんな自覚こそあれど、それも自分の一部であることには変わりない。
あれから随分と時間が経った。
俺は今でもジャグラーを打たない。
今の俺の台選びの基本は、”その時一番打ちたい台”なのだ。
光り物の良さが理解できないというわけではないのだが、当時の思考や経験は自分の中にしっかりと蓄積されているし、打つのであれば出目機を選んでしまう。
そうやって第一候補とばかり触れ合っていると好みの台は非常に偏ってしまう。
パチ屋通いを趣味としてはいるが、パチ屋にある機種の9割は触ったことがない。
様々な台の面白さについて、情報としては知っているものもあるが、体験としては知らない。
趣味の面白さとは絆である。
自分にとって大事なもの、つまり時間と金と手間と感情をかけてこそ、より強く輝くのだと、そう考えている。
俺は光り物とは絆を結んでこなかった。
出目をこねくり回さなければ楽しめないのは欠点だと自覚しているし、何かきっかけがあれば光り物の面白さを体験できるようになるとは思うのだが、データよりも気分を優先してしまうため、店に着いてすぐ猪のように目当ての台に向かってしまうのだ。
今日もジャグラーのシマの人達は楽しそうに台と向き合っている。
賑わっている場所は素晴らしい。
人々が夢中になっている姿は何よりも美しい。
それがパチ屋の中であろうとそう思う。
今あの中に飛び込んでも楽しめるとも思えないが、それは台が悪いのではなく俺とジャグラーとの絆が浅いからだ。
仲良くない相手と遊んで楽しいわけがないし、だからといって自分から手を伸ばさなければ他人のままで仲良くなることはない。
きっかけは自分次第だ。
令和5年5月5日。
ジャグラーに飛び込むにこれ以上の日はない。
しかし俺はジャグのシマには入らなかった。
数台空いてはいたが、ダメだ。
今日はダメなのだ。
家を出る前にはもう打つ台を決めてあったのだから。
パチスロコーナーを抜け、パチンココーナーに入る。
あの台はどこにあるだろう。
確かラッキートリガー付きだったハズなのだが、ラッキートリガーコーナーにはない。
どういうことだ?
まだ導入されたばかりの新台なのに、何故見つからない?
遊パチコーナーだろうか?
それともまさか1パチに導入された?
最新台なのにそんなハズは…
(あった)
3分ほど店内をうろつき、ようやく発見した。
場所は遊パチコーナーのシマの中央付近だった。
新台なのにこの扱いの酷さはどういうことなのだろうか。
釘も酷くなければよいのだが…
椅子に座り、ペットボトルのお茶を横に置き、カードを差し込む。
その台は、カイジ沼5の1/129バージョンだ。
最新の1/129ということでてっきりラッキートリガーが付いた機種だと思い込んでいたのだが、付いていなかった。
遊パチコーナーに置いてあるのは当たり前だった。
客も店も大して期待をしていないのかもしれないが、それにしたってこの扱いなのか。
打ち始めて30分。
遊べるコンディションかどうか不安だったが、等価ボーダー17.2回(情報サイト調べ)に対しこの台は17.0回と、しっかり遊べる調整だった。
これならば趣味打ちとしては何の文句もない。
しっかりと楽しませてもらおう。
3時間半ほど打ち続け、出たり飲まれたりで出玉はトントン。
キッチリ打ち始めと同じ玉数に調整し、台を後にした。
今回はその時の実戦記事を書くつもりだったのだが、
操作をミスってこの日の画像が全部消えてしまったのだ。
クルーンいっぱい見れて楽しかった!!
実写演出大好きマンは甘バージョンおススメ!!!!
でも当選時の4割ぐらいは超沼みたいな普通の演出が紛れ込んでくるからそこはちょっと微妙。
全部実写に振り切ってたら個人的に神台になってたのに。
あっあとねえ!
ミココから逃げきれ!って演出あるじゃん?
悲しいことに画像全部すっとんだからこないだの記事でも見て欲しいんだけどあるじゃん?
(またダメじゃねえか全然発展しねえじゃねえか)と思ってたら、あの演出ってば成功=当たりだったわマジ!?
おっ初めて成功し…\キュキュキュイン/んあ!?!??!
ちょ
待ってwwwwwww
逃げ切ってwwwwwレインボーピカピカてお前wwwww
おい当たっとるんかこれwwwwwwwミココの抱擁回避の嬉しさが兵頭や利根川との命の取り合いと同列っておいwwwwwwさすがにそれは坂崎家が可哀想すぎんだろwwwww
高尾最高かよwwwwwwwww
って大爆笑してた。
人居ないガイアで良かった~~~
かろうじて人~~~~~