実は福井には日本百名城が2つありまして。
一つは前回記した“一乗谷朝倉遺跡”。
もう一つが“丸岡城”。こちらは現存12天守の一つで、北陸地方では唯一の現存天守。
これは見逃すわけにはいかないと、腹ごなしを終えた後、一路、丸岡を目指したのですが、途中に永平寺があったので少々寄り道をしてみることに。
やはり曹洞宗の総本山だけあって境内は厳かな雰囲気に包まれているのですが、その周りが・・・。
日本の古い観光地にありがちな土産物屋が埋め尽くす通りと誰彼かまわず客引きをする土産物屋の駐車場。
無料と大書きしておきながら、実際は土産物屋で一定額購入しなければならないJAROに訴えられそうな商法はどうにかならないものなのでしょうか。
あれを見る度に悲しくなるのですよね。
昭和23年(1948年)の福井大震災により倒壊したものの昭和30年(1955年)に部材を組みなおして修復再建されたもので、天正4年(1576年)に柴田勝豊が築城したものとの説を取れば、現存最古の天守になります。
2重3階の小振りな天守は確かに城郭建築初期のもののように思えます。
1979年に制作された映画『戦国自衛隊』では、この城を春日山城に見立て、撮影が行われたそうで・・・
子供の頃、観た際には迫力のある映画だと思ったのですが、今になって思うと、丸岡城が春日山城とは少々無理があるような気もします。
外観どおり、天守内部もこじんまりとした造りで、階段が急なため補助用のロープが架けられています。
が、係員の方は「ロープより手摺をしっかりお持って」上がった方が上りやすいとアナウンスしておりました。
確かにそうなのですが、では何故にロープが・・・
丸岡城は江戸期に入り、本多成重が城主となったことから、天守の脇には本多重次の有名な書簡「一筆啓上、火の用心、お仙泣かすな、馬肥やせ」の碑が建っており、天守までの道のりのいたる所に「日本一短い手紙 一筆啓上賞」の受賞作が掲示されています。
こちらはどちらかと言えば成功例なのでしょうが、いろいろな形で町興しを考えるものです。