まろうどさんでほっと一息つけたのもつかの間。


東京大神宮へ向かう道程はやはり雨。晴れていればどうということはない距離なのですが。
天保銭日乗-東京大神宮境内
濡れそぼりながら東京大神宮へ。


明治13年(1880年)に伊勢神宮の遥拝殿として創建された“東京のお伊勢さま”として地元で親しまれている神社なのですが、最近では参拝すると恋人ができる“縁結びスポット”として有名なのだそうで。


当日は雨の夜にも拘らず参拝客がちらほらと。


天保銭一行も善男善女に交じり参拝・・・果たしてご利益はあるのでしょうか。


本来なら縁日の17日には参道がキャンドルでライトアップされるのですが、生憎の雨でこちらも中止。


この時点で既にツキに見放されているような気もします。

天保銭日乗-東京大神宮の御神籤
流石に“縁結びスポット”だけあって御神籤の種類も充実。


御神籤マニアでもある太夫さんと共に数ある御神籤の中から、他で見かけない“花神籤”なる御神籤を引いてみることに。


あっさりと“大吉”を引き当てる太夫さんに対し・・・
天保銭日乗-東京大神宮の末吉
天保銭はまたしても“末吉”。


何処で何を引いても末吉が続きます。


いっそのこと天保銭末吉に改名したほうがよろしいのかもしれません。


境内を探すも寄席の看板らしきものはなく・・・神社の方に尋ねたところ、会場の研修所は一度境内を出て隣の建物とのこと。


教わったとおりに歩き、開演10分前に会場到着。悪天候にも関わらず、既に8~9割は埋まっております。


まずは“たまごの会”でも御馴染みの前座さん、古今亭半輔さんがご機嫌伺い。


ネタは前回、神保町のたまご祭りで志ん輔師匠に途中で止められてしまった「二人癖」。やはりそんなに悪くはないと思うのですが。


続いて才紫さんの一席目。ネタは「阿武松」。講談から落語に移植された今の寄席ではあまり聴かない噺です。


落語家が演ると落語、講談師が演ると講談になる典型的な噺ですが、流石に才紫さん。しっかりとした人情噺でした。


こういう噺が受け入れられるのですから、講談も演り方によってはまだまだ受け入れられる余地はあるはずなのですよね。


仲入後はこの日のゲスト、端正な顔立ちで売り出し中の女流講談師・宝井琴柑さんで「山内一豊出世の馬揃え」を一席。


琴柑さんを聴くのは初めてだったのですが、まだ良くも悪くも典型的な女流講談。会場の音響のせいか張り扇の音が大きすぎて少々耳につきましたが、これは熱心さの裏返しかと。


これから徐々に琴柑さんらしさというものが出てくればいい感じになってくるのでしょう。


トリは才紫さんの2席目。ネタおろしの「不動坊」。


人情噺の後は滑稽話というバランスのいい編成で、初演とは思えない出来。


この日のツキの無さを払拭するくらい笑わせていただきました。