銭湯が日常から遠ざかって久しい。湯屋は落語や時代小説では人々の社交場として定番の存在だが、最近では時代の趨勢からか廃業する銭湯が後を絶たないらしい。

天保銭もさすがに日常の中に銭湯があった時代は経験していないが、たまに友人達と行く銭湯の開放感には捨てがたいものがあった。最近、腰の調子も悪いし、久々に銭湯に行ってみるかなと調べたところ、東京都浴場組合では「東京銭湯お遍路巡礼」なるイベントを実施中で、達成者には認定証を発行しているらしい。ものはついでとスタンプノートを印刷し、出かけてみることにした。

天保銭日乗-寿湯(東京 柴崎)
目的地は、前から気になっていた柴崎の寿湯。品川通に面した駐車場に車を入れようとすると、「月極」の文字が・・・一見、寿湯の駐車場のように見えるが、寿湯の駐車場はその奥らしい。月極駐車場の右手の細道に入り直し、事なきを得る。車を降りる際に、印刷したスタンプノートを家に忘れてきたことに気づく。我ながらやはり、ちょっと足りない・・・。


靴箱に靴を収め、フロントで入浴料を支払い脱衣場へ。脱衣場は広く、藤椅子とテレビがあり、何人かが競馬中継を眺めていた。この分だと湯船も相当広いのかと期待して浴場へ。


広さは、平均的なのかとも思うが、端からジェット風呂や電気風呂に小分けされていて、期待していた大浴槽は見当たらず(後で調べたところ、外に大き目の露天風呂があったらしい)。とりあえず腰にいいかなと一通り試してみる。土曜の午後ということで、そこそこの混み具合だったため、サウナには入らず撤収。


久々の銭湯だったが、やはり体の温まり方が家湯とは違う気がする。「外食」する感覚で「外湯」というのも、ありなのかもかもしれない。