ハイチのマザーテレサ | 店舗探し.comの過去コラム

店舗探し.comの過去コラム

会員様向けメルマガに掲載された過去のコラムを掲載しています。

2011/2/03

先日、NHKのETV特集で、

『ハイチのマザーテレサ ~83歳・日本人女医の挑戦』

という番組がありました。

須藤昭子さん(83)は、女医にして修道女です。34年前に
ハイチ共和国にやってきました。

衛生状態の悪いハイチでは、当時はまだ結核が、死亡原因
の第一位でした。
須藤さんは結核患者の治療や療養病院の建設に献身的に
取り組んできました。

政治的混乱と経済の破綻で世界で最悪とも言われるハイチ
を、昨年、大地震が襲いました。
一年経った今でも、仮設テントでの生活を余儀なくされる
人が80万人もいて、衛生状態が非常に悪い中で、コレラも
大発生してしまいました。

大地震時に、たまたま日本に帰国していた須藤さんは、地
震の3ヶ月後にハイチを訪れて、想像以上に悲惨な状況を
目の当たりにしました。

須藤さんが運営に関わっていた結核療養所は倒壊してしま
い、患者たちは仮設テントで療養生活を送っていました。

目を覆うような状況に、須藤さんは高齢を理由に一度は
退いていたハイチの医療現場に復帰したのです。

もう二度と、日本には戻らない覚悟を決めて。

ハイチに戻った須藤さんは、結核療養病院の再建に向けて
奔走しますが、援助機関や政府の思惑で、いつのまにか
巨大な総合病院へと計画内容が変更されてしまいます。

建物は完成しても、総合病院を賄うだけの必要機材や運営
費の調達は期待できません。
巨大な箱物はむしろ無用の長物にしかならないとの危機感
を持って、須藤さんは計画の再修正を実現しようと奔走し
ます。

しかし、大統領選の混乱が収まらない中で、役所の機能も
麻痺していて、いっこうに事態は収拾しそうにありません。

かつて、ハイチの病気の根源は農業の崩壊にあると考えた
須藤さんは、70歳過ぎという年齢で熱帯農業を一から学び、
農業学校を設立しようと、ハイチに土地を手配していまし
た。

しかし、久しぶりで立ち寄った建設予定地には、大地震で
家を無くした人たちが、無断でテントを建てて住み着いて
いました。

大地震による病院の崩壊と再建計画の頓挫、農業学校の
建設実現への障害・・・。

最悪の国で最悪の事態に次々と襲われながら、飄々として
動じず、腹を決めて淡々と目の前の難事に立ち向かって
いく須藤さんの、小柄ながらも堂々とした姿勢には、胸を
揺さぶられるものがあります。

取り組むべき難題を脇において、政争に明け暮れて、右往
左往している政治家!

 

経済状況が少々悪いくらいで、この世の終わりを迎えたか

のように、深刻に思い悩んでおたおたする経営者達!

 

皆、須藤さんの爪の垢でも煎じて、その根性を見習わなけ

ればならないでしょう。