2011/10/14
「雲間から地上に降り立つ、いく筋かの厳かな陽光は、
天使の降臨のごとく、
疲れた者たちの心を温かく包み込む。」
「まるでひまわり畑にいるみたいだ
・・・太陽を一杯に浴びたひまわりが咲き誇っている。」
以上はいずれも 『神の雫』(原作:亜樹直 作画:オキモト・
シュウ)で表現された、ワインのテイスティングコメントです。
1番目は【マコン・ヴィラージュ・ヌーボー2010】、2番目は
【ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ ロッジョ・デル・フィラーレ
2002年】に対するコメントです。
ワインは最も歴史の古い酒の一つであり、また最も多くの地域
で飲用されているアルコールです。
色、香り、感触、味わい、余韻など、ワインを表現する方法は
いろいろと工夫されてきました。
もっとも、上記のようなあまりにもひねった文学的修辞では、
万人の理解を得ることは難しいでしょう。
ワインの“香り”を表わす表現についていえば、果物、野菜、
花、ナッツ、木などに例えるだけでなく、硫化水素、アセトア
ルデヒドといった化学物質、濡れ毛糸、汗臭、マッチを燃やし
た臭いなど、ユニークな表現も数多く認められていて、ワイン
の評価を決定する重要な要素とされています。
ワイングラスはふちが内側にカーブしているチューリップ型の
ものが主流です。
すぼまった口が、立ち昇る香りをグラス内に留めて逃がさない
からです。
蒸発するアルコールは、ワイン本来の香りを邪魔してしまいま
す。
しかし、グラスのふちが内側にカーブしていると、アルコール
濃度の濃い部分をふちに寄せる気流が発生します。
結果として、グラスの中心部分のアルコール濃度は薄くなりま
す。
テイスティングで、液面の中心に鼻を近づける理由です。
「香りは・・・うーん、ブルベリージャム、バラのドライフラ
ワー、紅茶、そして後は・・・そう、なめし革の香りが上品
に調和していますね。」
気の利いたテイスティングコメントで女性の注目を集め、食の
秋に恋の彩りを添えましょう。