2009/11/04
お彼岸に墓参りをし、体育の日には運動会を開催する。
では、『文化の日』に
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」(祝日法)
こんな活動をしようと腰を上げた人は、どれほどいたでしょうか。
『文化の日』は、なかなかに微妙な祝日です。
「健康で文化的な最低限度の生活」
と、憲法で約束されたはずの『文化的な生活』とは、
そもそもどういう生活を意味するのでしょうか?
上野公園では、休日になると、炊き出しが行われています。
近くの植栽に腰を下ろして支給された食事を食べていた
人たちが、食べ終わると、目の前にある美術館にも博物館
にも見向きもせずに、足早に立ち去る姿を見るにつけ、
文化的な生活とは何なのかと考えさせられます。
安心して休める住まいが無く、毎日の食事もままならない。
文化無縁の不安定な生活が、この国から絶滅するその日
までは、たどり着けない憧れとしての『文化の日』が、
自嘲するような薄笑いを浮かべながら、存在し続けること
でしょう。