2月初旬、気温16度という珍しい好天に誘われて、所沢市の西武球場駅前にある不動寺を再訪してきた。20年近く前にY夫妻と訪ねて以来である。

西所沢駅で乗り換えてガラ空きの電車に乗って終点西武球場前で下車。

駅前も閑散としていた。

駅舎の真ん前に西武球場、はるか昔であるが田淵監督時代の西武が優勝した日に観戦したことを思い出す。

こんな場所に寺院とは似つかわしくないが、一風変わった寺院が二つある。

 

この日訪ねてきた不動寺は、私の好みの寺院とはかなり趣を異にしている。人によってはB級寺院とも言われており、境内には全国の寺院から寄せ集めた堂宇を移築している。

単なる寄せ集めともいえるが、その堂々とした説明板などの開き直りなどに免じて、私の寺院コレクションの一つに加えたいと思う。

また西武ライオンズが必勝祈願をする寺である。

写真は駅前から境内の遠景。

 

まず入り口の勅額門(国重文)は、あの芝増上寺の台徳院(徳川秀忠)御廟から移築したもの。

寛永9年(1632)築の四脚門であり、現在の台徳院跡にはほとんど残っていないため、考えようによってはここで再会できた幸運を喜びたい。

 

飛天の彫刻や絵画が眼に眩しいばかりである。

 

石段を登るとまた極彩色の勅使門(国重文)が建っている。やはり台徳院御廟からの移築である。

 

写真はアップ。

 

格天井の中央に鏡天井が付いている。

むしろよくぞ保存してくれたものと感謝の念が湧いてくる。

 

傍に立つ銀杏のご神木は、太田道灌の城山城址にあったものを移植とある。

ここまで徹底するとは驚きである。

 

丘の中腹の道を左手に行くと黒い総門が建っている。

長州藩毛利家の江戸屋敷の門を移築したものとのこと。

 

写真は鉄筋本堂で、周囲を大型の石灯篭が取り巻いている。

天台宗の寺院、山号は狭山山。

 

写真は本堂内部。