千葉市には5年ばかり勤務していたが、大厳寺があることはつい最近知った。
蘇我駅から歩いて30分弱の淑徳大学の隣にある。
 
写真は総門前。ダウン
天文20(1551)に下総国生実城主原胤栄夫妻の開基で、道譽上人の開基。
関東十八檀林の一つであり、学問所であった。
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総門を一歩入り、山門とその前の池と境内を見渡した途端、来て良かったと納得する。
朱色の山門前の池は「不鳴の池」と呼ばれる。ダウン
開山の道譽上人を慕って入山する僧が多く、100名を超える学僧が勉学修行をしていた。
ところが夏になるとどこからともなくこの池に無数の蛙が集まって夜通し鳴き続けたため勉学の妨げになった。そのため道譽上人はある夜この池の畔に立って念仏を唱え蛙の鳴き声を戒められた。すると鳴き声はピタリと止み、以来学窓の修行時間になると鳴き声は止まったことより、「不鳴の池」と呼ばれるようになった由。
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山門から本堂に向かって真っすぐに参道が続き、その両側に草花がびっしりと植えられ庭園となっている。ダウン
梅、桜、ツツジ、アジサイ、サルビアなど、その季節になるとさぞ美しいことであろう。
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さらに参道の両側に仏教の教えが書かれた石造書物が並んで立っている。左下矢印
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写真は石造書物のアップ。ダウン
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本堂は登録有形文化財。ダウン
浄土宗の寺院、山号は龍沢山。
家康との関係も深く江戸幕府の祈願所でもあったので、江戸期には100石の朱印寺。
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かってはこの辺りは「鵜の森」と呼ばれていたが戦後になって激減し、いつしか消滅してしまった。
本堂の向拝の彫刻は鵜が子供に餌を与えている姿が彫られており、その名残はこの彫刻だけというのは悲しい。ダウン
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写真は本堂内陣ダウン
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本堂の左手に建つ神社と見間違うようなお堂は不動堂である。ダウン
やはり道譽上人の伝説が残る。
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本堂の左奥には書院が建っている。ダウン
少し変わった建物で千鳥破風でもあるが、やはり登録有形文化財である。
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淑徳大学前から千葉駅行きのバスが出ており、大学構内のベンチに座って時間調整をし、帰りは千葉駅経由で戻る。