長圓寺の次に訪ねた久麻久(くまく)神社は八ツ面山の山麓にあり、と言っても標高67,4mの小高い丘である。
この山は古来より雲母を産出し雲母山(きららやま)とも呼ばれたという。
周囲は森林公園になっており、時々ジョギングの方とすれ違う。
参道は、上りにくい石段を5分ばかり登って行くと石鳥居に至る。
「久麻久神社二座」と記された延喜式内社であり、大宝年間(701~704年)の創建という古社である。
丹後国から来て荒地を開墾した久麻久連一族が産土神を祀ったのが始まりで、大宝年間に須佐之男命が祭神として加えられた。
室町時代には当地の荒川城主の荒川氏の保護を受けて「荒川大宝天王」と呼ばれたという。
祭神は須佐之男命、大雀命、熱田大神ほか6柱。
写真の拝殿は入母屋造。
重文指定の本殿は室町時代の1527年築であり、一重母屋造りの檜皮葺、桁行三間、梁間二間に向拝三間が付く。
軒回りにはコイ、ハス、タイなどの意匠がくり抜かれた蟇股や手挟みが見える。
また高さ136cmの総檜造りの厨子や鰐口(ともに重文)も所蔵している。
写真は室町時代造の狛犬。
写真は神楽殿。
ご神木の連理の枝のシイ。
連理とは一本の木の枝が他の木の幹と連なって木目が通じ合っているもの。
写真は境内社の天満宮、弁財天社。
他に山之神社、神明社、八幡社などが祀られている。