木更津の寺社巡りの午後はバスに乗って127号線(16号線)に沿った東光院に、そこから16号線を北に向かって寺社を歩き廻りながら木更津駅に戻ることにする。
訪ねた東光院は「峯薬師」と言われて地元ではかなり名高い。
127号線の大通りから直接石段が伸びており、小高い丘の上に境内は広がっている。
崩れかかった急石段を注意しながら登りきると、目の前に仁王門が建っていた。
江戸時代宝暦9年(1759年)築とのこと。
門前がすぐ崖と石段になっており足元に余裕がなく写真を撮るのに苦労する。
正面に宝形造の本堂が建つ。
元禄年間(1688~1704年)の棟札が残っている。
真言宗豊山派の寺院、山号は龍頭山。
貞元年間(976~978年)に行基によって創建という古刹。
本尊は等身大の木造薬師如来立像で峯薬師と呼ばれる平安後期の作で1272年の銘文も残る。
12年に一度の寅年に御開帳という秘仏。
写真はお前立。
ちょうど住職の奥さんがお見えになり、本堂は室町期築で、かなり傷んでいますとの説明を頂いた。
本堂の蟇股は真ん中に薬壺を模ってあるという芸の細かさ。
また江戸時代には檀家が無く、自分が嫁に来てから檀家を増やすのに苦労されたとのお話を頂く。
本堂外陣には閻魔様が睨みを効かしている。
写真は江戸時代築(1842年)の鐘楼で平成18年に大修理された由。
境内は丘の上にあり狭く、堂宇も少ないが何処か風情の漂う山寺である。
狭い墓地の一角に石仏・石碑が並ぶ。