各地の国分寺は随分見てきたが、その中でも信濃国分寺は堂宇が整い見応えのある数少ない寺院の一つである。
山門は境内からかなり離れた国道18号線前に建っている。
その国道を挟んで向かい側が信濃国分寺跡である。
写真は境内全体。
本堂は1845年築で、五間七間の入母屋造妻入りの重層建物である。
発願から完成まで31年の歳月がかかったという。
天台宗の寺院、山号は浄瑠璃山。
毎月8日にお経を上げるため八日堂ともよばれる。
毎年1月7,8日は八日堂縁日が開かれたいそう賑わうとのこと。
写真は本堂内部。
お目当ての三重塔は右手の池の先に建っている。
高さは20,1mと、そんなに大きくはないが室町時代築で重文指定されている。
軒反が強いため壮麗に見え、一部唐様のほかは和風造。
三重塔前の池と対になるように左手にも池があり、弁天堂が祀られている。
1622年創祀で、1829年にここに移した。
写真は鎌倉期の石造多宝塔。
観音堂には江戸初期の百体観音を安置している。
地蔵堂には地蔵尊と閻魔十王を安置。
鐘楼は1801年築。瓦葺の屋根の反りが深く優美。
大黒天堂は大正13年再建。
宝蔵は常設芝居小屋の八日堂座が廃止された跡に建てられた。
そんなにひろくない境内は小ぶりの堂宇がびっしりと建っており、それなりに見応えがある。