5月の23区寺社探訪会は、12日14時に新宿西口交番前に集合した。
今回は新宿区の寺社巡りであるが、訪ねる予定の寺社がかなり飛び飛びにあり、また16時に済松寺の拝観を予約しているので、効率的にタクシーも利用することにして出発。
新宿西口から懐かしい高層ビル街を歩いて、新宿中央公園内を横切って十二社熊野神社に。
184 十二社熊野神社
祭神 櫛御気野神、伊邪那美神
創建 応永年間(1394~1428年)
住所 新宿区西新宿2-11-2
創建の最初は、中野長者の鈴木九郎が熊野三山の若一王子を祀ったが商売が成功したので、熊野三山から十二所権現すべてを祀ったことから始まったという。
新宿総鎮守であり、例大祭は大変賑やかである。
というのもこの近くに行きつけの飲み屋「砂々良」があるので以前から良く知っている。
木造銅版葺の二重屋根を持つ社殿。
バックに新宿高層ビル群。
拝殿内に架けられた式三番奉納額(写真左)は1764年、1847年のもの。
また七人役者図絵馬(1773年、写真右)も奉納されている。
社殿右の裏にある大鳥三社の狛犬は、腹の下がくり抜かれていない珍しいもので1727年造。
太田南畝の銘がある水鉢は金網に守られて置いてある。
1820年に奉納され幅150cm、奥行き64cmある。
鉄筋神輿庫にはずらりと神輿を安置している。
社務所、稲荷社、社殿右手には池を配した厳島神社が祀られている。
十二社の碑は1851年造。
十二社は江戸期から大池、小池があり景勝地として賑わったというが、今はビルが林立しその面影はどこにもない。
熊野神社前からタクシーを拾っての寺社巡りとする。
番外 成子天神社
祭神 菅原道真
創建 903年
住所 新宿区西新宿8-14-10
前回訪ねた時は樹木が並ぶ長い参道があり往時の隆盛がそれなりに偲ばれたが、今回訪ねてみてびっくりする。
樹木は跡かたも無くなり、社殿もすっかり取り壊して改築の工事中であった。
わずかに仮社殿が造られているのみでガッカリする。
富士塚の頂上に木花咲耶姫命の像があったがどうなったのであろう。
写真は前回(05年3月10日)訪ねた時のもので、社殿前の紅白梅が満開。
ここからタクシーは細い道を縦横無尽に走り回って鎧神社に到着。
新宿も一歩奥に入ると、こんな迷路のような街が残っているのにびっくり。
185 鎧神社
祭神 日本武命、大己貴命、少彦名命、平将門
創建 醍醐天皇の御代(898~929)
住所 新宿区北新宿3-16-18
創建は行基作と伝わる薬師如来像を祀って円照寺が創建された時、その鬼門鎮護のために当社が創立されたと伝わる。
成子天神社の元の社でもあるので元天神とも呼ばれる。
写真は入り口。
裳腰を廻らした木造拝殿、本殿は鉄筋コンクリート流造。
ただここも境内が工事中であり、風情は半減する。
日本武尊が甲冑六具を備えたという伝説があり、また947年に平将門の鎧
を埋めたとも言われ、社名の由来になっている。
拝殿の正面、ガラスの中に鎧が飾られている。
大きな獅子像、鉄筋神楽殿、大木多し
摂社天神社(祭神菅原道真)の両脇にある狛犬は極めて珍しい「狛犬型庚申塔」であり、1721年造で右が阿形、左が叫形。
末社として稲荷、三峰、子の権現社のほか幼稚園を併設している。