地蔵院を出て静かな山里の民家の間をさらに歩いて行くと浄住寺に出る。
参道は実に自然そのままの趣きがあり、感激する。
帰り際に、8名位の老人団体が歩いて到着しているのに出くわした。
しかし参道入り口に立ち止まって見ているだけで、結局通りすぎてしまった。
この人達は地蔵院も通りすぎて行き、鈴虫寺のみ立ち寄っていた。
実にもったいないことであり、人ごとながら案内させて頂きたくなった。
参道から本堂への石段が続く。
紅葉の頃はさぞ美しいことであろう。
さらに石段があり正面に質素な本堂が建ち、これまた雰囲気が良い。
810年、嵯峨天皇の勅願所で円仁を開山として「常住寺」の名で開創された。
中興開山は弘長年間(1261~64年)。
現在では黄檗宗の寺院、山号は葉室山。
写真は本堂内部。
左にはこれまた質素そのものの観音堂があり、隣に八幡大菩薩堂がある。
また池を廻らした小さな弁財天堂があり、写真に見える右の建物は本堂裏のお堂。
写真は方丈玄関か。
方丈は伊達綱村の寄進で、幼少時の遺館。
本堂右から方丈・庫裏への廻廊の隙間から庭園を覗くことができた。
京都の寺社は随分とみてきたつもりだが、まだまだ地蔵院、淨住寺など隠れた古刹があることを知った。
京都の懐の深さを改めて感じた次第である。