この日の予定では最後になる大安寺に。
JR奈良駅からさほど遠くない場所にありながら、なかなか行く機会が無かった。
この日訪ねた寺社の中で唯一、私が初めて訪ねる寺院でもある。
                                               
聖徳太子が平群に建立した熊凝精舎が始まりとされる。
これが百済大寺となり、わが国最初の官寺となった。
平城遷都にともなってこの地に遷され大安寺となる。
25万平方メートルという広大な寺域であったという。
東西二基の七重塔を始め七堂伽藍が並び、奈良時代には国の筆頭寺院として、東大寺、西大寺と共に南大寺とも言われたが、中世以降は衰微の一途を辿った。
 
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本堂(写真)には天平時代の十一面観音立像(重文)を安置しており、特別公開中であった。
宗派は高野山真言宗。
 
宝物殿に当る讃仰殿には不空羂索観音立像楊柳観音立像四天王立像など天平時代の仏像が7体安置されており、いずれも重文指定されている。
嘶(いななき)堂には秘仏馬頭観音が安置されているが拝観不可。
 
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駐車場の近くに推古天皇社がある。(写真)
そのものズバリの社名であるが、それにしては質素な祠があるのみ。
 
 
 
 
 
 
 
 
帰りの電車まではまだ時間があるので、近鉄奈良駅近くにある「きてみて奈良SHOP」で各自お土産を買う。
 
このあと奈良に来て東大寺の大仏殿を見ないというのは画龍点晴を欠くという意見もあり東大寺に向かう。
現在は東大寺の主な仏像は東京に出稼ぎ中でもあり、今回は予定に入れなかった。
その上私は大仏殿ほか何度も見ているのでパスして、一人で二月堂周辺を散策する。
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写真は鐘楼(国宝)と鹿。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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写真は二月堂、三月堂に向かう風情ある石段で鹿を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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写真は二月堂(国宝)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
JR奈良駅にてタクシーを降りる。
電車にて京都に向かう予定であったが、突発事故で電車は大幅な遅れが出ていた。
急遽、予定を変えて近鉄奈良駅に移動し、特急で京都に向かうことにした。
京都駅から新幹線への乗り換え時間があまりないことが判り、電車内で缶ビールにて打ち上げを済ませる。
 
私はこの後、京都駅で皆と分かれて一人、神戸の義母宅に向かう。
今回の旅はかなり綿密に計画したつもりであったが、素晴らしい日浦運転手さんのお蔭で、それ以上の成果があった。
たった三日間で奈良の主だったところは取りあえず廻ることができた。
 
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写真は二日間お世話になったジャンボタクシー。
ナンバープレートはキャラクター「遷都くん」であることに注目。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最後に
運転手さん、「坂乃茶屋」のご夫婦、「春鹿」の女子大生、「梁山泊」のおかみさん等のご親切には心から感謝の意を表したい
またこれらの出会いが、奈良人の人情や印象を極めて良くしたことを附け加えたい。
 
そういえば、日浦さんが言われていたが、奈良の人は「大仏商売」と言われ、おおらかな人が多いとのこと。
これこそ悠久の歴史に育くまれたゆとりであり、現代の日本人にも是非必要なのではなかろうか。
また奈良を是非訪ねたいと心底から思い散会とした。