三囲神社からさらに見番通りを北に向かって歩く。
この辺りも昔ながらの町並みが続く。
まもなく左手に変わった門構えの寺院が見えてくる。

62弘福寺
山号  牛頭山
宗派  黄檗宗
創建  1673年 鉄牛和尚
本尊  釈迦如来
住所  墨田区向島5-3-2

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七堂伽藍が整っていたが江戸期の大火や関東大震災ですべて焼失してしまったとのこと。
そのためほとんどの堂宇は昭和8年に再建されたもの。
写真は唐風山門。

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本堂(写真)は重層造りで見映えが良い。
両翼に円窓、堂前の月台などは黄檗宗特有の造り。
また境内には風外和尚が刻んだ優しい姿の父母像があるが、風外和尚の名前「風の外」より風邪除けにご利益ありと信仰を受けている。
他に鐘楼、社務所、布袋尊(隅田七福神)などがある。
また勝海舟が若き日、当寺に参禅に通っていたという。

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すぐ近くにある名物「長命寺の桜もち」をお土産に買い、隅田川に架かる桜橋を渡る。
慶養寺に立ち寄り、続いて待乳山聖天を訪ねた。
後日談だが、この「桜もち」はやはりここの茶店で食べるのが一番良い。
一日経つと、固くなって別物になってしまった。
写真は番外で慶養寺の山門。
山号は霊亀山、曹洞宗の寺院で鉄筋本堂。

63待乳山聖天(まつちやましょうでん)
山号  金龍山  院号 本龍院
宗派  聖観音宗
創建  595年
本尊  大聖歓喜天(十一面観音)
住所  台東区浅草7-4-1

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浅草寺の子院だが、創建はこちらの方が古い。
595年、待乳山が盛り上がった時に、金龍が天下って山を守ったことから金龍山と号するようになった。
関東三聖天の一つとされる。
境内はわずか海抜9m半であるが、小高い丘になっており石段を登って行く。
しかし周囲は全くの平地であり、江戸期には見晴らしが抜群であったため、古今名所として名高い。
築地塀が見事に残り、情緒がある(写真は石段下の築地塀と石地蔵群)。

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鉄筋本殿(写真)は権現造りで昭和36年の再建。
木造舞殿、鉄筋社務所などがある。
また毘沙門堂、歓喜地蔵、出世観音、浪曲相輪塔、稲荷社、宝筐印塔などがある。
また大根、巾着の意匠が多いが、これは信心祈願によるご利益を端的に表したものとのこと。
大根は人間の迷いの心、怒りの毒を洗い清めてくれる。
巾着は財宝で商売繁盛を表している。

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また鉄筋社務所の横の道を降りてゆくと池と滝を配した庭園になっている(写真)。
ただ不風流な鉄筋社務所が、その風景を半減させている。