源空寺のあとは涼源寺を訪ね、霊梅寺、海禅寺と廻る。
帰ってから調べると、霊梅寺は海禅寺の塔頭であることが判ったので、この中から海禅寺を選ぶこととした。

58海禅寺
山号  大雄山
宗派  臨済宗妙心寺派
草創  1624年 覚印周嘉が開山
本尊  釈迦如来
住所  台東区松が谷3-3-3

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入り口には太い石柱門があり、参道の両側には普通の民家が立ち並んでいる(写真)。
江戸期より蜂須賀家の庇護が厚く「阿波様寺」と呼ばれていた。


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境内の正面に客殿があり、左手に木造本堂が続く(写真)。
その右手にある庫裏は新しく立派な邸宅である。
また墓地には梅田雲浜の墓があるとのこと。
雲浜は幕末の朱子学者であり、安政の大獄で獄死した。

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近くに塔頭の霊梅寺がある。
鉄筋2Fの本堂の前は花一杯に飾られ、華やかさを漂わせている(写真)。
扁額には「霊梅道場」と書かれていた。また半僧坊もある。

この後、合羽橋道具街をブラブラ歩いてゆく。昔懐かしいお店が並んでおり見るだけでも結構楽しい。
次に東京本願寺を訪ねた。
その格式の高さと、本堂の大きさからいっても、ここで選ばなければならないだろうが、私好みではないので敢えて番外としたい。

番外 東京本願寺
宗派  真宗東本願寺本山
創建  家康の命により教如が神田に開山
本尊  阿弥陀如来立像(1226年作)
住所  台東区西浅草1-5-5

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東本願寺派の東京本山としての格式を持つ。
まさにどでかい鉄筋瓦葺本堂が建っているが(写真)、1939年の再建。
境内は広大な広場になっている。
ここは1711年以降、朝鮮通信使の宿舎となっていた。

ここからまた浅草通りを横切り、地下鉄田原町駅近くにある本法寺を訪ねた。

59本法寺
山号  長瀧山
宗派  日蓮宗
創建  1591年、日先上人が江戸城紅葉山に開いた
住所  台東区寿町2-9-7

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1657年に江戸城より現在地に移転してきた。
境内のレンガ塀にはずらりと噺家などの名前が、朱色で書き込んであり誠に面白い(写真)。


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これは昭和16年に戦時下の統制が厳しくなり、寄席などの色恋ものが禁演となったので、台本ほかをこの寺に納めたことから、後になり「はなし塚」(写真)が造られたことに由来する。


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また境内には白壁土蔵風の熊谷稲荷社が祀られている(写真)。
ここは白狐を祀ってあることで名高く、浅草寺から移転してきた。
白狐を祀るのは全国でもここと弘前と二か所のみとのこと。
他に吉見稲荷社があり、江川太郎左衛門の菩提寺でもある。

最初の予定ではこの日の最後に浅草寺を訪ねることになっていたが、すでに4時半を過ぎ、いささか疲れも覚えてきた。
浅草寺はまたの機会にゆっくりと廻りたいと考え、この後は恒例の反省会をすることにした。
今回は浅草の名店として名高い、うなぎの「小柳」をご指名。
小津安二郎が良く通ったという店でも名前を知られている。彼の日記を読んで私も一度訪ねたいと願っていたお店である。
二階の御座敷に上がると、着物姿のお姐さんが応対、誠に浅草らしく情緒満点。
うなぎの蒲焼をメインに美味しく頂く。
逸品料理も結構ボリュームがあり、キモ焼き(一人一本のみ)またトマトも美味しかった。
酒は八海山を中心にして飲むが、他の銘柄はイマイチ。
寺社巡りをした功徳であろうか、極楽、極楽。