ツァー二日目、最初に訪ねたのは妙心寺の三門と塔頭衡梅院の拝観である。
朝10時から開門のところ10分前に着いたにもかかわらず、既に結構な人出であった。
妙心寺は言わずと知れた臨済宗妙心寺派の大本山で、46の塔頭を持つ京都最大の禅寺。
この辺り一帯は妙心寺町といってよいほどの広さを占め塔頭がずらり並んで建つ。
10万余坪の境内に、三門、仏殿、法堂、大法丈、小方丈、大庫裏などが、南北一直線に並ぶ典型的な禅宗伽藍であり、これらの伽藍はすべて重文指定されている。
妙心寺には何度も訪ねているが、三門に登るのは始めてである。

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寺院の入口ではなく、境内内に建っているので三門と言い、三解脱門を意味している。
赤い色の門であるが、赤は魔除けあるいは結界を意味するとのこと。
1599年に造営され重文指定されている。
狭くて急な階段を登ると、天井の低い部屋がある。
写真は拝観券。

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内部は極彩色の浄土の世界が広がる(写真はパンフレットからコピー)。
真ん中には、普通はお釈迦様が安置されているが、ここでは修行の観音像である。
周りは十六羅漢像がずらりと並び壮観そのもの。
天井には飛龍、人面獣心の迦陵頻伽や楽器が描かれている。
また柱には波が描かれ、その上は極楽浄土を現す。
ため息がでるような鮮やかな色彩に魅了された。
描いたのは狩野派の絵師達。

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楼上からは七堂伽藍が一望できる。
写真は楼上から見た仏殿。


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続いては塔頭の一つ衡梅院。
1480年の創建だが、方丈は1604年の再建で重文指定。
開山は妙心寺中興の祖・雪江宗深。
写真は客殿玄関辺り。

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開山の雪江禅師には四人の優秀な弟子があり、これに因んで名付けられた「四河一源の庭」が名を知られている。
一面の杉苔に、岩組みと楓が調和した枯山水庭園(写真、先に見えるのは茶室「長法庵」)。
茶室には天井の一部を、楠木の一枚皮で張った珍しい趣向も見られた。

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方丈には羅漢や竜虎、獅子を墨一色で描いた障壁画が残る。
描いたのは狩野派の絵師・大岡春卜。
写真は拝観券に見る墨絵の一部。

続いては天竜寺の塔頭宝厳院に向かう。