声の変え方(声は変えられるのか、生まれつきか)
言語戦略研究所の齋藤です。
声(話し声)について、よくある質問があります。
その代表が「声ってそもそも変えられるの?」。
声は生まれつき決まっていて、変えられないのではないかと
思っているようなのです。
この質問にお答えしましょう。
●なぜ声は変えられるのか
結論からいうと、声は変えられます。
すぐに得られる変化もあるし、さらに何年もかけて手に入る
高度な変化もあります。
「声は生まれつき決まっていて変えられない」と思っている人は
「体(発声器官)は交換できない」ことを根拠に、
声が変わらないと思い込んでしまったようです。
しかし、発声器官(声帯の長さや厚さ、舌の形、口腔の容積など)が
変わらないとしても、声が変えられない理由にはなりません。
なぜか。
楽器の演奏を考えれば、よくわかります。
発声は、自分の体という楽器を使った演奏に喩えられますね。
「喩え」とも言えないくらい、発声は演奏そのものです。
ところで、楽器が同じなら、誰が弾いても同じ音が出て、
同じ演奏になるでしょうか。
バイオリンの名器を巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが弾くのと
私が弾くのとでは、同じ音が出るでしょうか。
そう考えれば、「楽器がまったく同じだからといって、
同じ音が出るわけではない。出るはずがない」とわかるでしょう。
音は、「技術」次第です。
ヤッシャ・ハイフェッツなら、練習用の安いバイオリンでも
きっと名演奏を聴かせてくれるはず。
発声も技術です。あなたの発声器官を別の楽器に取り換えなくても、
発声テクニックが上がりさえすれば、すばらしい音を奏でるのです。
●発声器官は柔軟に形を変えられる
声が変わる理由はもっとあります。
まったく同じ楽器を使っても、技術によって演奏が違いました。
しかし発声器官は、楽器よりもはるかに柔軟です。
形が変わるのです。舌の上に溝を作ったり、舌根を下げたり、
軟口蓋を持ち上げたり、その変化はかなり自由度が高い。
だから、楽器よりもさらに、技術による影響を受けやすいのです。
●長年の発声トレーニングで楽器が成長する
舌の位置や形、軟口蓋の引き上げのように、
テクニックによって今すぐ変えられる形のほか、
長年の発声トレーニングによって得られる形状の変化もあります。
発声は身体運動ですから、筋肉の働きを要します。
わかりやすいのは、顔の筋肉。
声を意識して明瞭な発音を心がけていると、
表情筋が発達して顔つきが変わってきます。
適切な動作(発声)を繰り返せば、適切な筋肉が発達して、
良い声に適した発声器官へと育っていくのです。
このように、いくつもの観点から「声は変えられる」といえます。
「発声は楽器の演奏」と覚えておくと、
自分の楽器(身体)を使って最も良い演奏をしたいという
気になりますね。
ハイフェッツのように、あなたの楽器で最高の演奏ができるように
発声トレーニングをしましょう。
* * *
レクチャーコンサートで「話し方のボイストレーニング」を
受講したい方は、こちらのページに詳しい説明があります。
どうぞご覧ください。
↓
いい声で話せるようになるレクチャーコンサート
http://mf07.com/lecture.html
* * *
言語戦略研究所 齋藤 匡章
950-8113 新潟市中央区寄居町343-38
ウェブ:http://maliarda.com/tenor/
http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com