声を変える方法(好かれる声になるボイストレーニング) | 声美人は恋愛上手――言語戦略研究所の齋藤匡章が教える、発声と話し方が人間心理に及ぼす影響

声を変える方法(好かれる声になるボイストレーニング)

●自分の楽器で最高の演奏をしよう

発声器官の形状という視点から、「声は変えられない」という思い込みがいかに見当違いかを見てきました。

今度は別の角度から、「声は変えられない」という思い込みがいかにもったいないかを見てみましょう。

発声を演奏に喩えるなら、身体が楽器。

発声器官の形はいくらでも変えられると言いましたが、それも含めてあなたのかけがえのない身体です。

楽器の交換ができないなら、「声は変えられるか否か」なんて気にしないで、「この楽器の性能を極限まで引き出して、最高の演奏をしよう」と考えるほうがはるかに前向きかつ現実的です。

オーケストラを構成する楽器で、好きなのは何ですか?

嫌いなのは?

嫌いな楽器というのは考えにくいかもしれませんが、「特に惹かれない楽器」くらいならあるでしょう。

私の場合、好きなのはバイオリン、関心がないのはファゴットでした。

ファゴットは、「興味ない楽器ってある?」と聞かれて即答できたわけではありません。

関心がなければ、意識にも上らないからです。

「ファゴットって好き?」と聞かれてはじめて「好きというか、気にしたことがない」と思いました。

実際に音を聴いたときも、「別にどっちでもいいかな」と感じました。

ところが、です。

ドニゼッティのオペラ『愛の妙薬』のアリア「人知れぬ涙」のイントロに出てくるファゴットのソロを聴いたとき、認識が変わりました。

「ファゴット大好き」になったのです。

どんな楽器であろうと、うまい演奏ならすばらしいし、下手な演奏は聴くに堪えない。

かといって、バイオリンがファゴットを羨んでもしょうがないし、逆も意味がない。

与えられた楽器の性能を最大限に引き出せば、必ず人を感動させる演奏ができます。

同じように、自分の身体を最大限に活用すれば、必ず魅力的な声が出るのです。