夫があっけなく亡くなってしまったからか

あれから希望と言う言葉が遠いものになったような気がしている


思えば未来への希望 先にあるだろう二人の生活への希望 いつになっても すごく年をとっても

ずっと二人でいるのが前提の何があっても一緒に頑張っていく希望が

あっさりと取り外されてしまった


だからなのか日々何かが虚に色を消していく

4年経ち 明るい顔もできる様にもなって

日々仕事もしてご飯も食べて時には友人達と笑い合うこともある

だけど頭の中は半分冷めている

笑っていても笑えない自分がいる

いつもいつも心は帰って来るはずのない夫を待っている


最近ランチをした友人から再婚はしないのかと聞かれた そんな事を冗談の様に言っても大丈夫に思われる様な月日が経っていると言うことなのだろうと思った

だけど外の時間と私の時間の流れは違う


私は一人だけど一人ではなく心にはいつも夫がいる

そんなこと言葉にして人に言うことはないけれど

私の中では4年も4日も変わらない時間にしか感じない


ずっと一人の人 離婚して一人の人

そういう方はどんなことを希望にしているんだろうと思う


心から嬉しい思い

湧き上がる楽しい思い

温かい安心感

それらはいつも夫の横で感じていた感情


それらがあって当たり前の日々がいきなり取り払われずっとずっとどうにかしなくてはともがいてなんとかやってきたけれどすぐに襲ってくる虚しい気持ち


慣れていくしかないのだろうけど

もう夫との日々は終わったのだと認めていくしかないのだろうけど

いまだに夫との幸せな日々への執着がなくならない



だからなのか


先日夫の命日にお菓子を送ってくれた夫婦で仲の良かったご夫婦とお食事していたときちょうど私の目に入る位置に入ってこられてテーブルにつかれたご夫妻のご主人様のシャツが夫のお気に入りと同じものだった 何度も凝視してしまった

そのシャツは10年以上前にハワイで購入したもので同じ柄もなくはないようだけれどもお値段もそんなに安いものでもないし今まで同じ柄のそのブランドのシャツを着ている方を見たことはなかったのに私たちのテーブルのすぐそばにそのシャツを着た男性が座ってるその柄は見慣れた夫の好きな柄

夫の大好きな人たちと私がおしゃべりしている様子を夫が見に来たのかもしれないと本気で思った


だけどだったら死なないでよと思ってしまった

生きて一緒にいてよと


あちらは二人 私は一人


私の横には夫がいてくれないといけないのに

知らない人にシャツだけ着てもらっても嬉しくないよ 感涙なんて出ないよ 寂しさだけが込み上げてくるよ

私が心配なのかな

私が心配なら死んじゃいけなかったのに


どうして どうしてという思いがまたぶり返す


だから私は夫さんはいつもそばにいてくれるよと言う言葉が嫌

だったら死なないでよといつも思ってしまう


こんな思いを抱えながら過ごしているのに


他人からは なんの心配もなくていいねとよく言われる

そう見えてるってことは私がすごく頑張ってるってことだよね


グチグチ思いながら

私頑張ってるよ 夫さん