第十六話 頼って ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
「ちょ、哉太ぁっ!?」
「…そんな辛そうな顔すんな」
足の早い哉太はすぐに道場についた。
そこには、的をただ見つめる梓の姿
どうやら翼はまだらしい
哉太にお礼を言おうと顔を見ると、頬は赤く腫れ上がり、
真稀は急いでハンカチを出し、丸くして口元にあてる。
「…っつぅ………」
「我慢!」
真稀は容赦なく止血し、
「!…………サンキューな。あと………悪かった、な…その………
真稀はきょとんとした様子で首を傾げる。
そしてふっと美しい笑みを溢した。
「…っ\\\………………」
「……仲直りしなよ、月子が大変だからね…あと………ありがと」
そう言うと、頭一つ分大きい哉太に背伸びをしてお礼をした。
ちゅっ
哉太の腫れた頬の反対側にやわい感触が余韻として残る。
それがキスだと分かり、哉太の顔は真っ赤に染め上がった。
「………じゃぁ、行ってくる」
真稀の凛とした後ろ姿を見て、哉太は確信する。
「お前が好きだ…真稀」
自分にしかわからない程の小さな声で呟き、道場を後にした。
「………梓…………?」
私の声にハッとして顔を向ける梓の表情はひどく虚ろで
私は梓の前まで歩み寄った。
そして、梓の頭を自分の胸に押し付ける。
「…………!」
ポンポン、
「…堪えなくて、いいよ。泣きたいときに泣いちゃえば……
真稀は力を込めて抱き締めた。
「…真稀………さっきはごめん」
落ち込んだ声で呟く。
真稀は梓を離す。
梓は………一筋の涙を流していた。
「…真稀…………僕の話を聞いてほしい」
「…うん」
梓は真稀の手を優しく握ると、近くのベンチに腰をかける。
「………僕は、さ。
いつも ' '天才' ' って言われてた。
何をやらせてもそつなくこなす木ノ瀬梓…
弓道だってそう。
僕は、
「…っ月子先輩は、心で弓道をする人・・・
宮地先輩は……芯の強いひとで、的を真っ直ぐ射ぬく人…
金久保部長は…あの人は弓道で人を虜にする人だ……僕は勝てない
………皆、自分の色を持ってる。
僕は何にも染まれない!
執着が…
怖いんだよ……」
真稀は、自分の顔を見ない梓の手を強く握る。
「…前梓言ったよね、頼れって、
………っ頼れっ、木ノ瀬梓!!」
泣きじゃくりながら叫ぶ真稀に驚きを隠せない…それと同時に、
「執着したくない…?
なら、執着しなければいい。
梓は梓なんだよ
………何にも染まれないんじゃなくて、
……無色は無色のまま………
そう考えてもいいと思うよ。
けど、忘れないで。
無色は………
何にでも染まれるんだよ」
「…っ」
梓は真稀を抱き寄せた。
「…真稀、今確信した」
「…………え?」
「…………………………………………僕は君が好きだ」
っえ…?
梓が私を…?
…………時が止まった気がした。
「…僕は、執着してたみたいだ。
……いつも優しくて、
………君に」
梓は顔を赤面させた真稀の顎を掴み、上を向かせる。
「………愛してる」
あわよくば、君も同じ気持ちだと願って
深い深い口付けをした。
「んっ………」
それは甘すぎて…
真稀の口内には熱い梓の舌が絡まるようにして従順に動く。
その思いに答えるべく、ぎこちないがらも舌を絡める。
「………んうっ………」
梓とのキス………
嫌じゃ…
ない…
むしろ………
胸がドキドキして止まんなかった。
このままでいたくて…
けど、思いとは裏腹に、梓の唇は離れていく。
「…………ごめん、返事も聞いてないのに」
「…………………謝らないで。私も…梓のこと……すきかも…
下を向いて、恥ずかしそうに話す真稀に梓はもう一度抱き締めた。
「…返事は待って。
私は……
「目的………?」
「うん…………聞いて、くれる?」
「当たり前でしょ」
「…戻ってるw
ありがとう。長いけど、聞いてください。
誰にも言ったことのない、過去の話を――――――――――――」
あとがき(°∀°)b ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
うっふふ・・・
やっと書けたよ!
キッスシーン
梓キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
最近梓出し過ぎだって先輩に言われた・・・
梓夢じゃないもん!
逆ハーギャグシリアスだもの!
エッヘン(`・ω・´)ゞ
こっれから二話ぶん位過去編です。
夢小説という神領域に乱文・駄文失礼致しマシタ。