行きかう人々で混雑する新宿西口広場を、
足早に横切ろうとする際、
都庁方面からの人、JR,小田急線からの人、
僕のように丸の内線から京王線に向かう人、出てくる人、
そんな人の流れが混流する柱の前に
ぼつねんとたたずむ僧侶の衣装を着た男性をよく見かける。
顔が笠で隠れているので同一人間かはわからない。
一瞥してその存在は忘れてしまう。
お地蔵さんみたいだからだ。
しかし、あるとき追いかけられるように
「チーン」という鈴の音に「ドキッ」としたことがある。
なにか、後ろめたいことを考えていたのだろうか、
妙にその瞬間だけ人の動きもとまったような気がした。
不思議だった。
今は「チーン」を聞いても何も感じることはない。