第3話 ●●文恵として
さてブンケイが人間になってから数日がたちました。
ゴリラ村からいつの間にか埼玉県某市に流れ着いたのでした。
どのように流れ着いたのか誰一人として知りませんでした。
ブンケイは人間としてやっていくために名前を●●文恵と改名し土手付近の掘っ立て小屋で一人で生活していました。
川で釣った魚や畑から盗んできた野菜や果物を食料としていました。
因みにブンケイの好物はバナナでした。
やがてブンケイも人間が会話しているのを聞いているうちに言葉を覚えたのですが、昔ゴリラ時代に 、可愛らしく女の子らしい言葉遣いの綺麗だった少女が魚をとったり、薪を割ったり、野菜を盗んだりなど野蛮なことをしていくうちに言葉遣いが悪くなりおてんばになってきたのです。
ところで読者の皆さん、今現在の●●文恵に近づいてきたのがお分かりになられましたか?
所変わってゴリラ村では母さんゴリラが娘ブンケイのことを心配していました。
あの子がどうやって一人で生活しているのか。今何処にいるのか。人間の子供にいじめられてないか・・・などと心配して居ても立っても居られませんでした。
そして、母さんゴリラも決心したのです。人間になってブンケイと暮らそうと。
翌日、母さんゴリラはペリラピの所へ行って人間に変えてもらおうとしたのです。
「ペリラピ、お願いだ!私も人間になりたい!私が今持っているものを何でも差し上げます!だからどうか人間にして下さい!」
ペリラピは母さんゴリラの顔をジックリ観察してから口をは開いた。
「うーん・・・ワタシが欲しいものは何一つお前は持ってない!だが、人間にしてあげてもいいぞ。ただし、お前はゴリラそっくりな人間でもよいか?ブンケイよりも酷い顔になってしまうぞ。」
「はい、構いません!」
さて、人間になったのはよいのですが、ナンとそれは悲惨な風貌に変わってしまったのです。
顔だけでなく体型もゴリラのようにズングリムックリになってしまいました。お腹は出てるし足は短いといった体型でした。
母さんゴリラは「よーしっ、明日ブンケイのいる町を探そう!朝早く出発するのだ!ブンケイ驚くぞー!」
また所変わってブンケイは、早速、人間の子供達が野球をしている所へ近づいていって仲間に入れてもらおうとしましたが、ブンケイの顔を見るなり、
「お前ってゴリラソックリじゃん!やぁい、ゴーリラ、ゴリラ!」こんな有様でした。
さて、ブンケイは初恋の男の子と友達になれるか心配です。
第4話に続く