前回は食事を考える上での土台として最も基本的な考え方を述べましたが、今回はその土台の上に打ち立てていく柱的な枠組みについて考えてみたいと思います。
人が食べるために食卓に用意する食品の順番をその重要度から並べていきたいと思います。今日の夕食は何にしようかと考えるとき、この順番でメニューを組み立てていただければ間違いはなくなっていくはずです。中心から同心円を描くようにイメージしてください。
中心核としての最初の円の中には主食であるご飯(玄米)と味噌汁が配置されます。何がなくてもこれさえ確保できていれば生命は円滑に保たれるようです。玄米と大豆の食べ合わせで生きていくための必要な栄養素がすべて摂取できるようで、完全食と呼ばれています。
第二の円に配置されるものが根菜類となります。大地の中でしっかりと養分を吸収した野菜は陽性のものが多く、体温を維持してくれますし現代食事情では体液の陰性化が危惧されていますが、体液の陰陽バランスを図るためにも重要な食材です。ごぼう、にんじん、れんこんなどを利用した金平や煮物などが典型的なおかずになるでしょう。大根や里芋などもいいですね。
根菜類は繊維も豊富ですので腸内微生物のバランスを保つためにも必要な食品です。腸内細菌のバランスをとるということで、最近の風潮としてヨーグルトに関心が集まっているようですが、身土不二の立場から言えば、伝統食の中に優れた食品が多く存在しています。可能であれば根菜類を中鉢に一杯くらいは食べて欲しいと思います。
第三の円に入ってくるのが緑黄色野菜です。旬の葉野菜をおひたしなどで、ご自分の拳骨大くらいを食べましょう。
良く噛んで食べていただければ、この辺くらいで既に満腹感、満足感がでてくると思います。でもまだ足りないという方には第四の円に進んでください。
第四の円には魚介・海草類が入っています。
そして第五の円が牛肉・豚肉・鶏肉などになります。
これが基本的に毎日の食卓に並べたい順番になります。この円の外には、糠漬けなどの漬物類、縮緬雑魚やシラス、梅干、ゴマなどの常備采、旬の果物、きれいな水などを添えてください。
実際にこのシステムで食事の習慣をつけていくと、第三の円くらいで満足し、心身が軽くなってきます。持久力があり、安定した心身の状態を維持できるようになります。かつて世界が驚異の目をもって見ていた日本人の精神性の高さや忍耐力の強さは、こうした普通の伝統食によって培われてきたのではないでしょうか。日本人の長命の秘密を調べるため秦の始皇帝が如福を日本に派遣したという
史実は有名です。
そうは言っても動物たんぱく質信仰で洗脳されきってしまった私たち現代人は、なかなか肉離れが難しいようです。食習慣を変えることは根気のいる作業かも知れませんが、心身の調和を望まれるなら少しずつでもトライしていきたいものです。
栄養学ではあまり触れられませんが、円の外側に位置しているきれいな水の役割は大切です。「水」についての諸説が多く出回っていますが、ここではシンプルに見ていきたいと思います。
まずほとんどの生命体は、およそ60~70%が水であるという事実です。
地球も同じですね。私たち人間も同様で、見方を変えれば人間は水袋なのです。
体内水分量(水分/体重)は受精後98%、新生児80%、子供70%、成人男60%、成人女55%、老人50%と変化していきます。
老化や身体機能の低下は、細胞内液の減少と比例しています。
身体の組成は、たんぱく質17%、脂肪13,8%、炭水化物1,5%、ミネラル6,1%、水61,6%(成人男の平均)となっているそうですが、この水はどこに分布しているかを調べてみますと血液の83%、腎臓の82,7%、心臓の79,2%、肺の79%、脾臓の75,8%、筋肉の75,6%、脳の74,8%、胃腸の74,5%、皮膚の72%、肝臓の68,3%、骨の22%が水であると書かれていました。
(「水で死ぬ」林光秀著)
そうであるなら水が変性していれば、体組織も変性してしまうことは明らかです。
水こそが命と言えるのではないでしょうか。
どのような水が本来の水であるのかについては皆様でお考えください。
私がここで問題にしたいのは食材に含まれている水であり、自然の水です。農薬や除草剤・防腐剤などによって汚染された食材を食べ続ける人と
無農薬・自然食材を食べ続ける人との心身の健康度の差は歴然です。
林光秀氏による「疾病治癒の7原則」をご紹介します。
(1) 生物は細胞より構成されている。
(2) 個々の構成細胞は不断の細胞新生を行っている。
(3) 細胞新生の際、細胞は常に正常性の維持に努め、また非正常細胞といえども、常に正常化に努めるという生得の機能を有する。
(4) 細胞新生はDNA代謝に依存している。
(5) DNA代謝は、細胞内の水に支配されている。
(6) 従って疾病とは、つまるところ細胞内の水の非正常化によって引き起こされたDNA-細胞-生体の非正常状態であると言えよう。
(7) よって疾病治療の根本は、細胞内の水を正常化させることにより細胞に生得の正常化機能を刺激啓発することである。
非常にシンプルなので、にわかには信じられないかもしれませんが、「水は命」であるという現象を現代を生きる私たちは多くの局面で体験的に知っていると思います。工場廃水による水俣病や酸性雨などの驚異に留まらず、レイチェル・カーソンの著わした警告書「沈黙の春」に代表される水汚染の数々に比例して発生する疾病の増加を今や知らない人はいないでしょう。
女性が気にしているシミ、ソバカス、シワ、肌のたるみなども細胞内の水分量が減少した結果であり、同じ状況が体内のすべての組織細胞で進行していることが考えられます。その意味で肌の老化は、身体の組織すべての老化を映す鏡なのです。CMに躍らされ、美しいパッケージに幻惑され、高価な化粧品を使用するよりも、食べる化粧品としての食材を選んで欲しいものです。肌の老化は内臓の老化なのですから、化粧品では根本的な解決は不可能です。
何を食べるか、どのように食べるか、あなたの食卓があなたの心身の美と健康にダイレクトに影響しているのです。