食事の基本(3) | 風天たあこのブログ
エステティック業界にいた頃、カウンセリングで避けては通れないのが食事のチェックでした。
「バランスの取れた食事をしていますか?」「はい、大丈夫だと思います。」
こんな会話では何も分かりません。お客様に悪気はないのですが、バランスの取れている食事とは、そもそもどういうものなのかが理解されていないのだと分かりました。

そこで女子栄養大学出版部が出している「食品80キロカロリーガイドブック」「毎日のおかず640種のエネルギー、塩分、たんぱく質ガイドブック」「外食・市販食品のエネルギー、塩分、たんぱく質ガイドブック」の三冊を使って、お客様全員に食事のバランスとは一体何を意味するのかを伝える必要性に駆られ、当時のスタッフ全員に教えたものです。スタッフからお客様全員に対して「現状と食事の関連性」についての学習を開始してもらったものです。(私は当時からエステティック産業は美容産業ではなく、人が心身を美しく生きていくための教育産業だと思っていました。)

ダイエットは一生続けていく「生きる姿勢」であって、瞬間台風のようにある時期だけ集中して減量することではありませんし、美しい肌を取り戻すのも同じことです。「命の仕組み」を無視した表面だけを取り繕うような「人体の生理機能」を無視した情けなくも恐ろしい施術は、共に大切な「命」の質を劣化させていくだけのことです。

「食べ方は生き方であり、命の質そのものに関係する」ことなのです。食事の基本を守ってもらえればよいのですが、現在の食事が体形、体質、肌質、体調、性格、さらに言えば幸・不幸にまで影響を与えているということを心から納得してもらえなければ、食事の変更は大変難しいものです。

「家庭の医学」書が普及していますが、それと同じように、あるいは予防医学的見地から見ていけば、食に関する真剣な学習は、それ以上に必要な生きる智慧かも知れないと感じています。

日常の食生活の点検をしていただくために、上記三冊を是非購入して検討していただきたいと切に願っています。料理本より大切だと思います。少しずつでも、この三冊を利用して日々の食事を作ったり、点検していただけるなら人生は大きく変わっていくことでしょう。三冊とも千円くらいだと思いますので、約三千円で心身の健康を自己管理できるようになれると思います。
(自分で読んでみて、実践してみて、理解しにくかったら、この三冊を持って私に会いに来て下さい。3時間くらいでマスターできるようになるでしょう。)

まず「目で覚える食品の栄養価  食品80キロカロリーガイドブック」が基本になります。
毎日食べる食品を、人体への意味によって四群に分類し、80キロカロリーを1点とするおおよその量が目で見て分かってくるように構成されています。数字で覚えるのではなく、視覚ですと何度も見ているうちに自然に記憶できるようになってきます。そのオモシロさにスタッフたちは、この本にハマっていったものです。

第一群は乳・乳製品、卵です。栄養を完全にする重要な食品群。
良質たんぱく質をはじめ、日本人に不測しがちなカルシウム、ビタミンB2などをバランスよく含む。毎日優先してとるべき食品とされています。

この群から一日に摂取するのは3点(240キロカロリー)とされていて、1点の目安は卵1個、牛乳なら120~140グラム、プロセスチーズなら一切れ(24グラム)です。個人的に私はこの群に関しては取りすぎないように注意してもらいます。日本人には乳糖耐性がないことから、この群をあえて3点取る必要なないと考えていますが、取るならこの範囲内にしてもらいたいと思います。牛乳500ミリパックを飲んでいる人は、それだけで4点以上摂取していることに留意してください。

第二群は魚介・肉類、豆、豆製品です。
体や筋肉、血液などをつくる食品群。おもに良質タンパク質源。そのほかに、資質、ビタミンA・B1・B2,カルシウムをもふくむ。一日摂取量の基本は3点です。1点の目安は、本マグロ刺身で4切れ、65グラム、タラなら中くらいの切り身一切れ115グラム、アジなら中くらいのもの1匹60グラム、鮭なら中くらい一切れ50グラム、秋刀魚や鰯は半分(35~40グラム)、シシャモ生干し2本、など。肉類になると、1点の量は牛肉バラなら30グラム、肩ロースなら35グラム、豚肉バラなら20グラム、肩ロースなら30グラム、ヒレ60グラム、鶏だと手羽肉1.5本、胸肉40グラム、ささ身80グラム。加工品ならベーコン1枚で1点ですし、ウインナーソーセージなら3本、ロースハムなら2,5枚で1点となっています。豆・豆製品で見てみますと1点の量は、枝豆を片手の平に乗せられるくらい(60グラム)、油揚げなら一枚、納豆40グラム、木綿豆腐なら1/3丁(105グラム)です。

現代の食生活は、第二群の取りすぎが問題を起こしていると思います。
一日3点ですから、魚介類で1点、肉類で1点、豆・豆製品で1点の量をよくよく頭に入れてください。
いかに取りすぎているか、ため息が出てきませんか?第二群の摂取では、動物性食品をいかに少なくしていくかが、ポイントになってくるでしょう。

第三群は、野菜、芋類、果物です。
体の働きを円滑にする食品群。ビタミンA ・B1・B2.・C,ミネラル、繊維を含んでいます。野菜は100グラム中に含まれるカロチンの量の多いものを緑黄色野菜、それ以外ものを淡色野菜として区別します。なお、海藻類ときのこ類の主成分を人はエネルギーとして利用することが出来ず、そのためこれらはノーエネルギーですが、分類上この群に含めてあります。

1点の目安は緑黄色野菜で見ていくと、かぼちゃなら110グラム、芽キャベツなら19~20個(170グラム)、ブロッコリー一房(190グラム)、にんじん1,8本(250グラム)、ほうれん草350グラム、グリーンアスパラ3~4束(?)400グラムなどがそれぞれ1点です。淡色野菜でみると、にんにく10かけ(60グラム)、ごぼう1,5本くらい(110グラム)、ねぎ3本(300グラム)、ナス5本(450グラム)、きゅうり7本(750グラム)、などなどがそれぞれ1点になります。芋類で見ると、ジャガイモ1個(100グラム)、里芋6個(135グラム)など。果物だと、バナナ1本(95グラム)、りんご半分(160グラム)、柿1個(140グラム)、グレープフルーツ1個(230グラム)、桃1個(220グラム)などなど。

日常の食生活が、第二群の取りすぎに対して第三群がいかに不足しているかを受け止めてください。
第三群も一日摂取量は3点です。果物が好きな人ならある程度第三群の摂取が出来ると思いますが、野菜・芋類で少なくとも2点が必要です。

一億総半病人時代を作ってきた原因は、この第三群の摂取不足であろうと思われます。第三群の目的は、体の働きを円滑にすることです。体調を整えることです。原因不明の心身の不調を抱えている場合、まずこの第三群をバランス良く、しっかり3点摂取することから自己観察していただきたいと思います。第三群が正しく3点取れるようになれば、便秘の解消に始まり、体調が整ってきて笑顔で暮らしていけるようになるでしょう。

お気づきだと思いますが、正しい食生活の基本は、たとえどのような人でも一群、二群、三群をバランス良く最低3点ずつ摂取する必要があるということです。体調を良くしたい人も、やせたい人も太りたい人も同じです。合計9点(80キロカロリーX9=720キロカロリー)が正しく身体を養ってくれる基本になっています。

そして第四群が穀物、砂糖、油脂、その他嗜好品になります。
力や体温となるエネルギー源の食品群。糖質、たんぱく質、脂質を含みます。穀物、砂糖、油脂、菓子、種実(落花生、栗、銀杏など)、嗜好品(ジャム、マーマレード)、嗜好飲料(アルコール、炭酸飲料など)がこれに属します。

1点の目安としてはもち一枚(35グラム)、白米茶碗半分(55グラム)、スパゲツティ(22グラム)(普通の一人前だと4~5点になるでしょう。)ロールパン1個(30グラム)、食パン1/2枚(30グラム)、
白砂糖(21グラム)、ジャム(30グラム)、マーガリンやバター(11グラム)、マヨネーズ(12グラム)、マカデミアナッツ6個、クルミ3個、甘栗6個、ショートケーキやアップルパイなど1/3、キャラメル5個、各種ジュース類180グラム、ビール210グラム、日本酒75グラム、焼酎60グラム、ブランデー32グラム・・・

一日の摂取カロリーの調整をこの第四群で行うことになります。例えば一日1,200キロカロリーにしたければ、一群、二群、三群で720キロカロリーは優先的に必要ですので、残りは480キロカロリー(480キロカロリー÷80キロカロリー=6点)しかありません。ご飯茶碗に軽く一膳が約2点ですので、朝昼夕に軽く一膳ずつでちょうど6点になります。嗜好品やドレッシングなど調味料の使用は出来なくなります。

一日の摂取カロリーを1,600キロカロリーにするなら、第四群を11点使用できることになります。これがダイエットをする時の考え方になるわけです。ダイエットに限らず、所謂バランスの取れた食事内容とは、現代栄養学的考察をするならば、このような食材の配分がなされているかどうかということなのです。このバランスが取れているなら、心身は調和が取れているでしょうし、肌も美しいはずです。

ただ現実問題として原材料からそれに関わる調味料まで個人で点検していくことは煩雑ですので、日常的な家庭料理を一目で分かるように四群法で書かれているのが「毎日のおかず640種のエネルギー、塩分、たんぱく質ガイドブック」です。全種類の作り方も書かれていますので、とても便利です。
ファミリーレストランやコンビニ、ラーメン、寿司、うどん、居酒屋、ファーストフォード、弁当屋、カップヌードルや缶詰食品など外食した時に開いてもらえれば、一目で分かるようになっているのが「外食・市販食品のエネルギー、塩分、たんぱく質ガイドブック」です。

この三冊を参考書として食事日記を1ヶ月くらいつけてもらえれば、大体のことが分かるようになってきます。決して難しいことではありません。人生の質は、食べ方によって大きく変化していきますので、
一度しっかりとマスターしていただければ、少々の体調不良が起きても原因が分かりますし、誰に頼ることもなく自分で対処できるようになってきます。

「人は食べ物のお化け」という本を出された方もいらっしゃいますが、正にその通りなのです。この講座の最初に書いた言葉を再度ここで書かせていただきます。

「We are What we eat.」
(私たちは毎日食べているものによって心も身体も人生も影響されています。)