今日のブログタイトルは『THE　SHUGYO 』

読み方はそのまま「しゅぎょう」です

漢字で書くと【修業】と【修行】の2つがあります

どちらにも共通してある“修”という時は“しゅう(しゅ)”や“おさめる”と読み、《身につける》とか《ととのえる》という意味になります

なので【修業】は業(わざ)を身につけるという意味になり、【修行】は行いをととのえるという意味になります。

そんな意味から分かりやすく説明すると、仕事などの技術を学ぶ時に使うのが【修業】であり、肉体や精神を鍛え行いをととのえる時に使うのが【修行】という字だと思っていただければいいんじゃないでしょうか

ですから、例えば我々のような料理人を志す人が料理の知識や技術を学ぶのが【修業】。僧侶の道に進んだ人が悟りを開き心身ともに浄化させるのが【修行】です。

料理人の修業として僕も昔いろいろ経験しましたが、「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉があるように、どんな大変なことでも進んでやることで後々料理人としての知識や技術がしっかりと身に付くんじゃないかと思います

僕達の時代の修業は朝早くから深夜まで様々な仕事をしました。

料理のための仕込みの下処理はもちろんの事、お店の内外の掃除からタオルなどの洗濯、器の整理、買い出し、鍋磨き等々。忙しい時は本当に1日20時間くらい働いたこともありました

若い頃で体力はあったものの、さすがに疲労困憊で過労死するかも…

なんて思ったことも正直ありましたが、なかなかどうして人間は強いもので簡単には死にません。むしろそんな経験が武勇伝になるくらい今となっては良い経験だったと心から思います

そんな僕の修業時代よりさらに昔は、お店のご主人の自家用車などの洗車や靴磨きなどもやらされたという話も聞きましたし、さらに大昔は丁稚奉公の時代。お給料もままならない状態で住み込みで朝から晩まで働かせたなんて事もあったとか…

まぁ、今の時代なら完全にアウト。ブラック企業のレッテルを張られてしまうでしょうけどね

今の僕のお店で例え修業とはいえさすがにそこまでは求めませんが、それくらい自らを追い込んで仕事に没頭するくらいの意気込みや時間があっても、将来の事を考えたら良いのかなと思ったりもしますけどね

そんな料理人の修業は時に“修行”だったりすることもあります。

料理人の仕事は美味しい料理を作ることのみならず、お客様への接し方も大切ですからね。精神的にもしっかりしないといけないわけです。

そんな修業も修行もいろいろ経験して一人前の料理人になっていくんじゃないですかね

しかし、ある程度一人前の料理人になれたとしても考え方次第で修業は生涯続くものです。

より良い料理を作りたい。もっともっと上の技術を身に付けたいと思ったら、そんな意識に上限はありませんから永遠に修業であり修行なわけです

そう考えたら修業ってやっぱり大変だなぁ…

そんな風に思ったりすること今でもありますね

THE SHUGYO vol.1