水難の季節になる前に書いとこうと思ったのだが、
スイミングクラブに通って200m個人メドレーまで泳げてた身としては、
小学校・中学校の水泳の授業の方向性が間違ってると言いたい。

クラスに何人かは25m泳げないという児童・生徒がいると思うが、
あれは、小学校の先生の教え方が根本的に間違っているからである。


そもそも水泳の授業の目的はなんだ?

水難に際して、自身が溺れずに済むためである。
(できれば他者をも助けられればよりよいと言ったところか)

 

※日本各地の小学校にプールが設置され、水泳の授業が行われるようになった一端でもある。

目的に沿えば、本来は平泳ぎから教えるべきである。
・海中に投げ出された場合でも、海上へ出るにはクロールでは出られない。
・常時顔を上げたまま泳ぐことが可能→息継ぎという概念が不要。
・足の蹴りが下手で弱くても、腕のカキで顔を水上に出せる。
・常時顔を水上に出せるので、状況を確認しやすい。
・救命胴衣を着た状態でも泳ぎやすい。
等、利点は多数ある。


「泳げない」と言って泳げるようになることを諦めている人というのは、
5m~10mは進めるが、下半身が沈んで行ったりして息継ぎがうまく出来ずに、そこで足をついてしまう。
というわけで、息が出来なくなって25m泳げないというのが大半である。

平泳ぎであれば、そもそも息継ぎが出来なくて…という問題が発生しない。
蹴りが弱かったり(足を負傷して蹴れなかったりして)腰が沈んでいようが、
とにかく顔が出るので息ができる。
息ができればパニックにもならない。


また、船から落ちた際に、救命用の浮き輪などを投げられる場合があるが、
クロールでは前は見えないのでターゲットとなる浮き輪が見えない。
海上では流れがあるので、常に見ていないと、浮き輪自体も流される。
常時顔を出しておけるというのは、とても重要な指標である。

 


学校等では、平泳ぎが出来るようになったうえで、
背泳ぎ(というか、背浮き)も教えておくと、
浮いて救助を待つこともしやすくはなる。
競技としての水泳の型であるクロール等は、そのあとで教えるべきである。

ついでに「助けてサイン」も覚えておこう。