まだ若かった頃、

友達が流産をした。


学生時代からの友達。


結婚後も出世街道をひた走り

凛とした佇まいの美しい

所謂 バリキャリ女性。


数少ない大事な友達で

妊娠の報告をもらったときは

大泣き笑いで喜び合ったが

その後、お互い仕事の繁忙期を迎え 会う機会の持てないまま半年程が過ぎていった。




あ〜!久し振り〜!



偶然 駅のホームで彼女を見かけ

思わず声をかけた。


何故か微妙な笑顔の彼女。


いつも通りのシュッとした姿。

う~んカッコイイラブ

ん?シュッ?お腹?



私の視線に気付く。





流産したのよ..




頭がグルグルして言葉が浮かばない


そう 浮かばないのなら 何も言わなきゃ良かったのに




大丈夫?

あなたの事だから また仕事とか

頑張り過ぎちゃったんじゃない?


笑顔を作っていた切れ長の目が

少しだけ見開かれた





心配だったし 悲しかった

他意は無く ただ友を励まし

いたわるつもりで言った言葉。


私が放ったその言葉の持つ意味に

気付いたのは数年後の自分の妊娠期だった。



謝ろうと思い続け、

でもまた余計な事を言ってしまったら とか 

謝る事でまた傷つけてしまうんじゃないか とか

辛い記憶を思い出させるのも とか

色々考えてしまい


お互いの 仕事や子育てに追われている事を言い訳に

10数年が経ってしまった。



何もかもわかったつもりの正義感と

頭でっかちな押し付けの優しさ

痛みを知らな過ぎた 愚かな私

若かったから では済まされない。




後悔。



後悔していること

 

 

 

 

 

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