見てよかった。大満足。

フンジョン監督作品は、こちら側の期待値がものすごくでかくなるにもかかわらず、おもてたんと違うーーーということはあれど、

結局「見てよかった」と絶対に思うので素晴らしい。なかなかそんな監督いないよ。

 

【あらすじ】

マニラで病気の母をかかえ、違法拳闘でなんとか生きてる貧乏混血青年マルコ。

ある日、「ソウルで大財閥社長やってるのが君の父親だ。一緒に帰ろう」といわれ、部下たちがお迎えにくる。実は、その大金持ちの父親が危篤となり、大急ぎで心臓移植をしないと助からないので、マルコの心臓が欲しくてやってきたのだ。そうとは知らず、マルコはすぐ部下たちとソウルへ向かう。が、彼の身柄を力づくで奪おうと美青年や美女がどんどん現れて、マルコは理由がわからない。何度も死にそうになりながら、なんとか、父親なる人と面会できたが、本当に手術して心臓を取り出されそうになるマルコ。その場で、またまた貴公子が現れ、最後の大決戦となる。結果、大金をものにしマルコも助けてくれた貴公子の正体とは。。。。

 

貴公子は、マルコの身柄を10万ドルと引き換えにして儲けようと計画したプロの殺し屋だった。

そもそも、マルコを、実の息子として仕立て上げたのも貴公子。(実はあかの他人)美女の弁護士とつながってたのも貴公子。実は、自分もフィリピンと韓国の混血児であり、同じ境遇の孤児たちに、立派な施設を立てるというのが本当の目的だった。そう、貴公子は自分は肺がん末期だと思いこんでいて「最後にいいことをしたい」と思ったのだった。ところが、日に日に元気になって調子のよくなる貴公子。実は、病気でもなんでもなかったという、まさかのエンディングに、劇場の観客一同「えええええええええーー」と(心の中で)叫んだのであった。

 

と、いうことでしてね。

前半、本当に怖い痛い面白い!のフンジョン節炸裂で、あーこれこれこれを見に来たのよーーと思って大満足していると、なんというか、後半はですね、特に、大決戦が始まるあたりからもう、ちょっとこれはテレビのお手軽コントのような感じになります。びっくりします。かなり深刻ぶって鑑賞してたのに、そんな終わり方でいいの? そ、そ、そんなんで筋が通る? と思ってしまいます。

でもね、主役3人の男がいてですね、(貴公子とマルコと適役ハンさん)

最後は、誰が生き残るか? 誰をどこまで生かしておくか? ということを考えると、もう、観客にとっては、どう考えても、貴公子とマルコちゃんには「なんとか生き残ってほしい」と思っちゃってるんですよ。途中から。いや、もうかなり序盤から。それだけ情が移っちゃってるんですよね絶対。

冒頭の名刺代わりの貴公子エピソードを除いたら、貴公子って、そんなにマルコに徹底的な危害を与えてないんです。観客が見てて「それはひどい!」と印象づくような非常なことは一切してない。つまり、神秘的な行動か、愛されるような行為しかしてないんですよねえ。最後の大決戦に向かうまで、どんどん貴公子への情が育っていって、それで最後はあれですから。すべての人が「助かってほしい」と思ってる。だから、今回、助けたんだと思います。

でも、なんでしたっけ。「VIP〜修羅の〜」では、フンジョン監督は、あっけなく、主人公の刑事をほんとにあっけなく殺してます。全員が助かってほしい、しかも、主役なのでこれは助かる!と信じてたようなひとをあっけなく殺すんです、そんな監督なんです、だから面白いといえるんですけど、まーー、今回は、あっちもこっちも助かってるし(妹という悪役。これなんか一番先に殺されていいような役)、ものすごいハッピーエンディングです。

 

そのかわり、私の大好きな、コ・アラさんがあっけなく殺されてましたね。

まー。結局、誰の味方なのか、誰の部下なのか、弁護士なのに、謎のドライブテクニック、謎の殺しテクニック、何もかもがよくわからないまま、よくわからない役柄でしたが、でも、美しく賢くかっこいいのは、コ・アラさんならでは。

とってもよかったと思います!

ということで、あとでよーーく考えると、「魔女2」と同じく、

「そもそもそこで殺しておけばいいだけの話じゃない?」ということが100回くらいでてくる話ですけど、

もう、彼の中では、そんなことより、映画がフンジョン節炸裂させて、怖い痛い面白い となる方がいいんでしょうね。

また、次作、期待しております。