めちゃくちゃ面白い。面白かった。大絶賛。

1話につき、1人の女性の目線から語られる作りといい、全然違う立場の人間たちが、それぞれの場所で孤軍奮闘していくうちに、徐々につながっていき、最後に全員が大集合してクライマックスを迎えるという、この気持ちよさというか1作品としての質の高さといい、どっかで見たなと思ったら、

2020年の映画「藁にもすがる獣たち」の監督、キム・ヨンフンさんが脚本と監督をつとめていたのでした。あれも面白かったもん〜〜〜。そりゃ似てるわ。あの映画好きな人、絶対好きだと思う。

 

てことで、これは映画化してもよかったかも。全7話でもまだ長いくらいだから。

そう。1話、2話、3話。これがもう、、、最高オブ最高でしてね。それぞれえええっていう展開なんです。「私は一体なんのドラマ見てたんだっけ」レベルの急展開。(ちょっと4話5話6話はだれるんですけど)

1話の「顔はすごいブスだが胸はでかくてダンスも上手い」「昼間はOL、夜はマスクつけてダンス配信」とか、そんな設定に安易にそそられてしまったけど、それ2話からど〜〜〜〜〜〜〜〜でもよくなります。もったいないけどね。あらすじにもそれ以降のこと全然紹介されてないので、まさかこんな話だとは。。。

 

で。主役のマスクガールは、20代30代40代と3人が演じ分けています。

1話のブス役かわいそう〜〜と思ったら、これがデビューの新人さんだそうで。実物を大幅にぶさいくメークしておられます。さあ、そして、整形手術後の30代は「世界で一番美しい女性」1位(?)に選ばれたこともあるアフタースクールのナナさん。いやも〜〜相変わらずに美貌とスタイルにびっくり! 劇中では、ステージで歌って踊る場面もあれば、常に暴力振るってたり全裸でまえうしろ撮らせてる場面もあり、美しいだけじゃなくかなりの体当たり演技を披露。

久々にナナさん見たけど、顔が濃くて眉がぼーんと太くて色黒(実際は色白)なので、タキマキさんやマエノリさんなどの南方系美女だったんですねえ。エキゾチックというか。濃ゆい。なにもかも濃ゆい。美しい。

そして、40代は、コ・ヒョンジョン。実際はオーバー50ですが、さすがは元ミス・コリア。足がながーーーくてほそーーーくて本当にスタイルがいい。ヒョンジョンさんは、さらに体当たりの演技でですね、泥まみれ血まみれ走ったり飛んだり、そして、一瞬もメークしてないと思う。すべてがどすっぴんで勝負ですが、やっぱりかなり自信があるんでしょうね、美貌にも体力にも。いやいや、3人ともすごかった。

こうやって並ぶとわかるように、全員171センチ前後。同じ女性というには、結構顔立ちが違う3人ですが背が高くて細身という人選で(無理くり)同一人物ということになってます。う〜〜〜ん、でも、1話の低い声ともそもそした喋り方くらいは、最後まで同じでいあってほしかった。顔かわってるし性格も結構変わってるので、ちょっと同一人物とは思えなかったなあ。私は。

 

そして!! このドラマ、脇役という脇役がすごすぎる芝居するので、ぜひ来年の春に、賞をとって欲しいのですが。

なんといっても、この親子でしょう。

「実は彼女が本当の主役では」との声も高いヨム・ヘランさん。そして、その息子でオタク上司のオナムさん(日本語上手だった)。この2人の存在感といい、実際の姿とはお〜〜〜〜〜〜きくかけ離れたメークヘアスタイル衣装も含めて、奇跡レベルの熱演。

アン・ジュホンさん、好青年というイメージあるくらいの人なのに、この薄毛にこの腹。ちょっと自慰シーンなどが多すぎて本人も嫌だったろうに、すごいわ偉いと思う。しかも、あっけなく「ゴーン・ガール」と同じ殺され方されちゃって、それも衝撃的。もうちょっと出番が多かったら面白かった気がするけど、それじゃ駄目なんでしょうね。このあっけなく殺されて終わる、なんともかわいそうなところがいいんだろうな。

 

で。ヨム・ヘランさん。

右端の女性、誰かしら。あ、MCの方? と思ったら、実はこれがヨムヘランさん! 普段はこんなにお美しいなんて!

劇中では、60代〜〜70代とおぼしきおばさん〜老婆時代を1人で演じきり、しかも、途中で思い切り整形手術を受けて「さらなるおばあさん」になってしまって、最後は完全に白髪で腰の曲がったおばあさん。なんだけれども、銃をぶっぱなすわ殴るわ蹴るわ走るわ、と、ミラクル狂気老婆です!

最近では、「グローリー」でのおばさんも話題でしたけど、聞けば、まだ40代半ば。

なんと、マスクガールを演じたヒョンジョンさん(52歳)より、全然若い。いや〜〜〜それは見えない、絶対見えない。

樹木希林さんみたいに、20代のころからずっと老け役というかおばさんとおばあさん役専門でやってきたらしくて、さすが、彼女のおばさん役は誰も追いつかないくらい年季が入ってて上手い。

いや。そんなことより、今回のオバサン〜老婆役は、見た目どうこうよりも、演技力が評価されてほしいなあ。すごかったなあ。最後の最後まで、マスクガールの娘を殺害しようと追い回してたけど、あれ、自分の孫ですからね。どこかでそれがわかって、最後は情にほだされて、「うううう、やっぱり私には殺せない〜〜〜」となるかと思ってたけど、全然なりませんでした。ま、それじゃまるで日本の2時間サスペンスだもんな。

 

最後の老婆のアジトでは、

マスクガール本人、マスクガールの娘、マスクガールの母親(上品婆)、マスクガールの姑(狂気老婆)、と揃い踏みなんですよね。普通だったら、仲良く家族ぐるみで暮らしてたかもしれない4人の女が、なんでまた、こんなつかみ合いの殴り合いの撃ち合いで殺し合わなければいけないのか・・・・・。特に、婆と婆がとっくみあって殺し合うなんて場面、これまで見たことありません、しかも助からないで、上品婆はそこで死んでしまうんですから。。。まったく容赦ないドラマだわ。

原作は、なが〜いウェブ漫画だそうで、マスクガールは最後生き残って数年後娘とあるという設定だとか。娘以外、全員殺してしまうこのドラマ、ほんとに容赦ないというか救いようがないというか、キム・ヨンフン監督ってば、ほんとにすごい。

 

いや〜〜面白かったです。

 

(ちなみに、このドラマ、ナナ以外にも有名な元アイドルがたくさん出ています。1話のアルムさんはEXIDのジョンファ。4話からの元アイドル紐役は、UKISSのジュニョン、まだ高校生ができるとは素晴らしい)