Netflixで毎週末見てた韓国ドラマ「MINE」がついに最終回。

いつものことながら7話8話くらいから、急に盛り上がり、そのまま最終回まで視聴者引きずり込んで話さない「the女」ドラマでした。財閥家が舞台なのに、そのトップである会長の影が薄い薄い。登場時間もほぼない。なんつっても1話登場時とともに倒れますから。奇跡的に復活してきてからもほぼ映らないし、セリフもすべてがぺらぺらでなんかもうかわいそう。

主演は、キム・ソヒョンとイム・ボヨン。この財閥家の長男の嫁と次男の嫁です。それぞれ息子がいるのですが、どちらも連れ子というか、旦那が不倫してた愛人に産ませた子です。(さらに、次男その自身も先代の愛人が生んだ子で、いかに財閥の男たちが好き勝手して生きてきたかよくわかる)。ほんと、婚外子が何人も出てくる。つまり、結婚したときから旦那には子供がいて、その子を立派に後継者として育てる!という義務ありきで嫁入りしてきた女たちです。この2人の女性を主役に進みます。

ドラマは、婚外子であるイケメン次男が死んでるところから始まり、その60日前から第1話が語られる。この冒頭の死んでるシーンが毎話毎話しつこいくらい出てくるので「このドラマは全16話かけて、自殺なのか?他殺なのか? 犯人は誰なのか?動機は?を暴いていくドラマですよ」といわれてることに気づく。他の些末なことが面白いんで忘れそうなのでね。

登場人物全員が怪しいんですよ。そこは上手に作られています。次男どんだけ嫌われてるんだっていう。死んだあとも子供しか悲しんでないし。そして、全員が嘘をつく。全員が自殺だという状況を作っていく。でもそれが全部嘘でもないところがまたややこしい。

そして、最後の最後、16話にて、とうとう殺人当日の映像(再現シーン)が流れます。長かった。ここまで引っ張っておいてしょうもない結末だったらどうしようと思ったがまぁまぁ「ええーーーっ、そうだったのお〜〜〜〜?」と思えたのでよかった。が真犯人当てるのは無理。

急に出てきたよな真犯人なので。真相がわかったあとは、それぞれの去就について例によってざっくり語られますが、全員がうまいこと収まったのもよかったです。すべての人に希望が残されていて、前向きに生きていく姿が描かれます。

キム・ソヒョン。長男の嫁。実家も財閥。

役柄もソヒョンだし、あてがきの役柄なんじゃないかってくらい、ピッタリの配役。「スカイキャッスル」にも通じる役柄ですが、このドラマではよりかっこよく、よりせつなく、より美しく。うまい。いぶし銀の風格。最初から最後まで期待裏切らず。ただひたすらかっこいい。この作品でソヒョンファンが大勢生まれたはず。実年齢48歳らしいですが、顔もスタイルも完璧です。そして、演技力がたしか。私は、かなり昔のテレビドラマ「妻の誘惑」での演技が忘れられないんですよね。今回、常に冷静沈着で静かに指図する立場でしたが、この人は本当はめっちゃびっくりする演技が得意だと思うんですよ。かなり大袈裟な芝居をする。今回は唯一、あの夜、次男が転落して死んでるのを見つけたときのシーンで見れます。そのあと、次男の死亡を会長に報告するときの芝居と。もう別人かと思うくらいなんですよねえ。あの驚きよう、とまどいっぷり。是非チェックしてほしい。

あと、どうしても注目が避けられないのは、同性愛者として描かれたところ。相手役の女優さんは、熱心なクリスチャンにもかかわらずそんな役を演じたことで、ファンにかなり叩かれ批判されたそう。きっとソヒョンさんもいろいろいわれたと思う。

ドラマでは同性愛者であるということを隠して、長男と結婚したことを申し訳ないと思っていて、ちゃんとそれを謝る場面があります。私個人としては、そのシーンがぶっちぎりで一番泣けました。みんな泣くと思う〜〜。長男は頭がよくなくて仕事ができず浮気ばっかりしてるという役柄なんですが、次男のくずっぷりとは違って、終始愛すべきかわいいおじさんとして描かれてて、いいです。長年騙されてきたことを何度も何度も謝罪されても、怒らずに「別に、同性愛者だからって、経営者としての能力とは関係ないだろ。それはそれでいいと思う」といってくれるんですよ〜〜。優しい!ナイス長男! ナイスおじさん! あそこは泣けるので5回くらい見返しました。いい夫婦だと思う男女の愛がなくても。よかったよかった。また、元VIXXのN(チャン・ハギョン)ちゃんとの確執がすごかったんですが、この血がつながらない母子の関係も、ソヒョンの誠実で理解ある言動のおかげで、最後には仲良くなるんです。最終話に「ありがとうオモニ」と声をかけるエンちゃん、よかったです。ここも泣けたなあ。次男の嫁も、生みの親にも、同じ女として同じ苦大事に見守ってたし、ほんといい人。てことで、このドラマは、ほんとキム・ソヒョンぶちあげドラマでした。

あ、ちなみに御本人は、めっちゃ面白い人らしい。ブラックピンクのダンス、すっと普通におどってくれてた番組で。お好きなんですね。

 

イム・ボヨンさん。こちらがその次男の嫁ヒス役。元有名女優。

私はこの方初見ですが、かわいい系なのに頭が切れるという役柄がぴったりでした。元有名女優っていうのがちょっと「あそうなの?」と感じがしましたが、どんなときも「でもいい人」っていうイメージが強くて最後まで信じられてよかった。

前半7話くらいまでは、夫婦ラブラブ母子ラブラブで、ずっと「産みの母か育ての母か」ってことばっかりやってたので、出番が多い。そのあと、「あれは何だったの?」てくらい違うドラマになってゆくのが韓国ドラマっぽいんですが、あんなに愛し合って結婚したはずなのにね。優しいはずの夫が、実は、人でなしで、ひどい裏の顔があったとかずっと自分は騙されていたとか、急展開するんですよね。そのフリ切りっぷりが半端なくて、「そんなに騙されるものかな」と思ったりした。あまりに極端で。

てことで、夫のホントの顔を知ったショックで流産してしまってからが、本番。

後半のヒスはほんとに怖いくらい冷たいのですが、結構これが似合ってて面白い。もし、流産せずに出産してたとしても、それはそれで、さらにドロドロが増えて面白かったかもしれないと思うけど、ヒスの恨みを限りなく増幅させるためには流産しかなかったのかな。流産シーンは、とことん血の海なので、血が苦手な人は要注意。その血を手でかき集めるヒスの怖いながらも可哀想なこと。直視できないですね。


しかし、よーーく考えてみると、夫のことをやたらめったら人でなしとして描いてますが、そんなにひどいことしてきたわけじゃない。拘泥化してからは、殺人教唆したり子供を誘拐させたりしたけど、6話時点では、単に浮気した女とよりを戻したり、その女を家で雇ったりしただけで、そんなのかわいいものなのでは? それくらい先代もやってるじゃん。あまりにもみんなが人でなし人でなしっていうもんだから、シスターじゃないけど、さすがにジヨンさん(次男)がかわいそうに思えるシーンも多かったです。

見どころは、夫が死んでしまってから、記憶喪失になってしまうところ。この記憶喪失は演技なんじゃないか?実は全部覚えているのでは? というまま話が進む。当然全部覚えてるんですよ。だけど、敵を騙すには身内から。ってことで、味方である義姉ソヒョンやヘジン、最愛の息子(8歳)の前でさえ、記憶喪失のフリをしているところがすごい。さらに、視聴者まで騙しにかかってくる。最後までわからないようになってる。流産するわ殺されかけるわ転落するわ骨折しまくるわ、と体ぼろぼろのヒス役。それでも、すべてに耐えてなんでもないフリをして記憶喪失まで装うとは、かなりヘビーな役でした。最後は、家をでて女優復帰したところで終わりました。

家庭教師役、不倫相手であり実の母親、イ・ヘジン

長男の息子スヒョクと恋に落ちるメイド ユヨン

次男ジヨンが生まれる前から事情をよく知るシスター

 

などなど、脇がなかなか曲者揃い。私は特に、シスターの役が怖くて怖くて。この人の演技なのか演出なのか、ちょっと気持ち悪いというか奇妙なんですよねシスター役。私だけ? いい人っぽいけどひょっとしたらこの人こそ黒幕なのでは? とか思ってしまう不気味さがある。でも結局なにもなくて最後はシスターもやめてしまうんですけど。申し訳ないんですけど、そんなにいい人に見えなかったんですよねえ。それをいうと、ユヨンちゃんも顔はかわいいけど、そんなに愛すべきキャラクターでもなくて、結婚後はなんか意地悪っぽくなっててちょっと。。。って感じ。やっぱり、財閥に嫁ぐとだんだん意地悪になるのか?みたいな。最後に、前半でづっぱりだった美人でスタイル抜群の庭教師ジャギョンも、前半と後半でキャラが違いすぎてびっくりですよ。そんな極端な人いる?ってくらい、前半は悪人後半は善人。


どのドラマを見ても思うけど、とにかくクチを開けば「こどもこども」って、24時間愛してて子供のことが命より大事とかいってるドラマ多いけどそのわりには、みんな、なんか急に、子供すっぽかしてどっかいくし、完全に忘れてるじゃないですか。勝手だわ。それがなんかなー。都合のいいときだけ子供こどもいうの、やめてほしい。ほんとの意味で子供がかわいそうなので。

 

あと、写真ないけど、メイドたちがなにげに最高なんです。

ご主人さまたちに負けないくらい、キャラが強いし、出番も多いし、面白かったり笑えたり泣けたり、なかなか使用人たちだけでも見どころ満載。私は、ソンテもチュ執事もものすごーーーく好きでした。最後、チュ執事にソヒョンが「あなたはこの家のことを知りすぎてしまった。もう出ていってもらうしかない」っていうんですが、それはちょっと勝手な言い分だと思った。調べさせたり尾行させたりしてるのはいつも家の人なのに。でも、まあ、最後はなんとかみんな落ち着いた結末になってよかった。