先週の初見で「これは面白い!」と、即座にチケットを取っておいて良かった。

もうwebでは買えないようですね。劇評も良いようですし。


前回は後方のど真ん中だったので全体が見渡せましたが、今回は下手側の一番端っこ。


歌舞伎座で言うと西側ですね。

下手側は良く見えないだろうと察しをついたのですが、その分舞台にはかなり近いので今回の目的は



筧@ペトルーチオの一挙手一投足をガン見することにしました(笑)



たぶん筧さんの衣装に穴が開いたかも知れません(苦笑)

おかげさまでペトルーチオの変な動きを再現しろ、と言われたら北島マヤの如く動いてみせます(爆)


冗談はさておき。(半分冗談じゃないけど)

今回見てまず驚いたのは



まだまだ舞台が進化し続けていること。



亀治郎さんも、筧さんも演技をさらに練っているように思いました。

本当にこの二人はどんだけ引き出しを持っているんでしょうね。真の「役者」ですよね。


こちらのサイト で、翻訳の松岡和子先生と筧さんのトークショーの内容を知ったのですが、かなり筧さんは緻密な演技の組み立てをされているようです。

亀ちゃんもパンフで「どんだけ引き出しがあるのを見せるか」ということを話していましたし、そこから蜷川さんが掬い上げていく作業ってどんなものなのか大変興味があります。


今回は戯曲本を読んで予習していたせいもあり、細かいところに集中して見れたので「こんなところで、こんな表情をしているんだ」という発見も多く、さらに芝居も、妄想も(笑)堪能できました。



たとえば筧さん。

後半からはキャタリーナに対して、とても丁寧な芝居をする部分が何箇所があるのですが、その時の真剣な表情が良い!

登場から求婚まではめちゃくちゃ観客を笑わせているキャラクターなので、その真剣な表情にキャタリーナでなくともドキッとします(笑)

また前回の妄想感想 に出てきた、筧さん惚れるぜっ!のシーンですが、下男のグルーミオ・親友ホーテンショーもその真剣さに気付いた芝居をしていたので、ペトルーチオはキャタリーナへの愛の言葉が真実だと伝わります。


もちろん亀ちゃんの表情も秀逸です。

睨みをきかすところは良く見えるので、もちろん会場中バカウケなんですが。

とっても怖いし(笑)


でも恥じらい・戸惑いの表情や、背中越しに振りむいた時に滲み出る色気が本当に素晴らしい。

そして後半”飼いならされた”キャタリーナの笑顔がまた美しいのです!

それまで眉根をひそめていることが多いので、その笑顔だけでキャタリーナは幸せになったのだなぁ、とわかる次第。


シェイクスピアの作品で、こんなにダラッと中だるみしないのは初めてかもしれません。

やはり長すぎる、どうでもよいような修辞を聴かせるのではなく、逆にマシンガンのようにまくし立てた筧さんのプランは正解かも。

ちゃんと聴かせるべき台詞は、ゆったりと聴かせていますし、この辺の緩急の付け方は巧みです。

舞台だと野獣キャラが際立ってしまいますけど、かなり繊細な芝居の組み立てをする人なんだなぁと再認識しました。

亀ちゃんも女性の柔らかさ、優しさに磨きがかかってきました。

「NINAGAWA 十二夜」の麻阿の時よりも、さらにシェイクスピアに相応しい役者さんになってきました。ぜひ他のシェイクスピア作品も見てみたいです!




さて恒例の妄想役者感想、行きます(笑)


◆キャタリーナ@亀ちゃん

ペトルーチオとの関係の転換点は、二人が別荘からキャタリーナの実家へ戻る街道のシーンです。


今まで何でもかんでも逆らっていたキャタリーナが、ついにペトルーチオの言葉に従うシーン。

最初はホーテンショーに言われて嫌々従っていたのに、ペトルーチオのおふざけに付き合っているうちに、最後は笑みが零れるこのシーン。あぁ、ここが転換点だと、遅ればせながら今日気付きました。


本当にこの人ったら・・・しょうがない人ね的な、気持ちの緩んだ笑みが印象的。


ここで本当の夫婦になったんだな、と個人的解釈です。

この後から、キャタリーナは常に微笑を湛えているんですよね。

ペトルーチオがどんなにムチャ振りしても、微笑んで対峙している。単に「飼いならされた」という解釈にはまらない、穏やかな微笑。


ラストの大演説も、少し台詞回しが変わったようです。

「私は恥ずかしい、女がこんなにも愚かだということが」とか

「やはり柔らかな気立てや心が、それを包む体にしっくり合っているからじゃないかしら?」

などの台詞が優しく穏やかに語りかけるようになり、すんなりと耳に入ってきました。


男性に頼ってもいい。

頼って心を寄り添わせることが、こんなにも心地よいことだとキャタリーナは訴えています。

これをどう受け止めるのか。私の心の中ではいつまでも澱のごとく、くすぶり続けています。


私自身、ダンナさんに対してかなり「じゃじゃ馬」だからこそ(苦笑)、グサッってきています・・・。



◆ペトルーチオ@筧さん

強引でふざけているのに、時折見せる真剣な表情にキュン(笑)

「いちいち逆らうんだな」と呟いてみせた、淋しげな表情。

クライマックスに向かう前の「キスしてくれ、ケイト」の真剣な表情。


いや~ご飯3杯はいけますねぇ(笑)


とにかく、このペトルーチオを感覚で受け止めてしまっているので、まともな感想が言えなくて申し訳ないくらいです。


あとは雑多にお気に入りシーン(というかネタ)を列挙します。

・ホーテンショーとの再開シーン。まくし立てるイタリア語も笑えるが、お互いジャンプしてぶつかりながら

 「んースパゲッティ!!」(笑) これ日替わりネタなのかなぁ?前回の記憶がない。

・今日は「ホーテンショー、言うなぁっ!」ってぶつかっていって、帽子が落ちそうになりました。

・登場して3分、すでに汗だくです。その汗だくのおでこをくっつけあう、ホーテンショー@横田栄司さん。素敵です(笑)

・ホーテンショーがキャタリーナにリュートで殴られたことを説明するシーン。台詞にあわせて、おかしな当て振り。その後の「いままでの10倍好きになった。あぁ一刻も早く話がしたい」と跪き、某サッカー選手のようにご焼香ポーズ。摘む回数、増えてますかね。

・キャタリーナに帽子を買い与えず「おあずけだ!」って時のポーズ。新感線を彷彿とさせます。

・別荘での衣装がイタリア人らしく胸元が開いたシャツに、ごっつい金のネックレス。似合いすぎて溜まりません。


あーたくさんありすぎて書ききれない。

また戯曲本を読みながら、あの愉快な動きを牛のごとく反芻して思い出すことにします。