時々、ケアマネージャーさんから、

利用者さま宅での会議に呼ばれることがある。


家族や、サービス事業者等で集まり、

現状報告や、問題点を話し合ったりする。


とある日の会議は、

認知症で物忘れのある、一人暮らしのおばあさんの

お宅。


彼女は、お世話になっている人たちが集まったからか

大喜びで、皆にお茶を入れて下さった。


茶しぶ?か何かで汚れたグラスに、

いつ作ったのか分からない、ヤカンの麦茶。


「ありがとうございますー」と言ったものの、

誰も手を出さない。

怖くて出せない。


そのまま会議は進み、お開きの時間になった。


飲まずに帰るのも、何だか失礼な気がして、

私は、思い切って飲んだ。


少し、気分が悪くなったけれど、

幸い、体調を崩さずに済んだのは、

運が良かっただけなのかもしれない。