昨日の5月19日水曜日の晩ごはん
*もやしのジューシー餃子2010年初夏バージョン
*あさりとセロリのバターポン酢蒸し
*かつおのたたきとサーモン
*スパサラ
えー主菜ばかりでしょう。
本日のメニュー、全てオットが考えてくれました。
一緒に買い物に行ったのでね。
リクエスト通りに作りました。
ま、いっか。
たまにはね。
わがままを聞いてあげましょう。
あれはやっぱり小学生のころだった。
自分が他の人とは少し違う、それに気付いたのは。
半そでに衣替えする季節がくると憂鬱だったし、それに半そでの季節ではなくとも体育の時間、体操服に着替えるのがとても嫌だった。
袖のないシャツや丈の短いズボンからにゅっと現れる、自分の腕が、足が、嫌だった。
それは産毛というには立派すぎる長さ、濃さ、密度の3拍子揃った立派な体毛だった。
腕にも足にも、おでこやうなじ、背中にもそれはあった。
眉毛は繋がっていたし、背中のそれは、鳴門の渦潮のように渦を巻いているほどだった。
わたしはつるりとしてすべすべのお肌の友達が羨ましくて仕方がなかった。
どうしてわたしには腕にいっぱい毛が生えているんだ!みんなは生えていないのに!と、つるりとした腕の母に言ったことがあったが、母もわたしや妹と同じように若い頃は腕毛が凄くて、小学生のころハサミで腕毛を切って母に、つまりおばあちゃんに叱られたそうだ。
歳と共に目立たなくなってくるわよそのうち。
と、母は気にもしていなかったが、年ごろ娘だったわたしと妹にとっては今が大切だった。
今を生きるわたしたち、今、この腕毛をなくしてしまいたかった。
歳をとったらそのうちにではなく、今すぐに。
小学生の頃はそれこそハサミで切ったり、軽石でこすって肌を真っ赤にただれさせたり、中学生になるとオキシドールを使って脱色することを覚えた。
しかし脱色したからと言って毛がなくなるわけではなく、ふさふさした腕毛が金色に輝くふさふさした腕毛に変化するだけで、毛深いことには変わりがなかった。
しかし小学生のころからわたしがそれだけ気にするくらいだから、やっぱり周りの目を気にしていたということになるだろう。
全く覚えてはいないのだが、たぶん男の子にからかわれたりもしたのかもしれない。
そして現在。
母からわたしと妹へと遺伝したその腕毛、なーちゃんへとしっかり受け継がれてしまった。
半そでの季節になると毎年からかわれる。
もうずっと、幼稚園のころからだ。
興味津々で天真爛漫な幼子のこと、不思議だと思ったらすぐに口にする。
「なんでこんなところに髪の毛が生えているの?」
「毛がいっぱいだね」
なーちゃんはパパから言われたとおりに
「毛がいっぱい生えてる人は、心が優しいんだよ!」
と反論してきた。
小学校に入ってからは、それは明らかな「からかい」の対象となる。
しかしいちいち反応して泣いたり怒ったりすることもなく、ただ無視することも覚え、同級生からのそんな意地悪なからかいにはスルーしてしまう術も身に付けた。
先日、たまたまわたしが小学校で用事を済ませていると、休憩時間だったなーちゃんがすぐそばを通りかかった。
わたしを見て駆け寄るのと、なーちゃんよりも下の学年の女の子がなーちゃんに駆け寄るのが同時だった。
上級生であるなーちゃんにじゃれつき、腕を取ったその女の子は
「なーちゃんの手、なんでこんなにヒゲが生えてるん」
と無邪気に聞いた。
「ヒゲじゃないよ」
と、小さな声で言うなーちゃん。
「じゃあ何これ!
ワキゲなん?すね毛なん!!」
笑いながらさらに大きな声でなーちゃんに聞いている。
なーちゃんは、困ったように笑い、そして自分の腕をとってじゃれつくその小さな女の子の手をそっと離し、スッとわたしの陰に隠れてしまった。
その日、わたしは考えた。
なんてなーちゃんに言葉を掛けてやればいいのか、それとも全くその話題を口にもしようとしないその裏側にあるなーちゃんの気持ちを尊重するのか。
悩んでいるうちに、ウジウジしているうちに、なーちゃんはもう寝る時間になってしまった。
お風呂上がりに髪の毛を乾かし終わって、ブラシでといでいたなーちゃんに、無言で自分の腕を差し出した。
なーちゃん「え?何?見ろってこと?」
母「うん、比べてみようや」
なーちゃん、自分の腕を母さんの腕の横に出した。
なーちゃん「あははっ!母さんの手、しろーーーい!
母さん、ちょっと毛が生えてきたね。」
(母さんはたまに自分でワックスでベリっと剥がしているのをなーちゃんは知っている)
なーちゃんは少し黙り、母さんの腕の生えかけた毛を触ったり、自分の腕の毛を触ったりしていた。
そして母さんが思いもよらなかったことを言ったのだ。
なーちゃん「あのさー
今日、○○ちゃん、なーちゃんの手を見てなんて言ったか覚えてる?」
母「うーん・・・・」
どうしよう、なんて言おうとドギマギする母さんになーちゃんは言った。
なーちゃん「面白いよね!
腕の毛のこと、知らないんだね!
見たことなかったんだね!
初めて見たんじゃない!」
なーちゃんと母さんはそれから、腕の毛は右手と左手、どっちのほうが濃いかを比べ合い、足の毛ではどうかを左右見比べ、体って左右対称じゃないんだね~!と笑い合った。
なーちゃんは
わたしが昼間の出来事を気にして突然腕を差し出したことに気付いた。
それだけ。
たったのそれだけしかできなかった母さん。
なのに、なーちゃんはいつも通り、いやいつもの5割増しに全くのご機嫌さんで、
「おやすみ!」
とお布団にもぐった。
慰めの言葉も励ましの言葉も掛けられなかったのに、ちゃんと通じた。
母さんが気にしていることが知れて、たったのそれだけで嬉しくなったなーちゃんをとても誇りに思う。
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