代官祐清の悲劇とたまかきの追慕・其の7 | テンカス・気まぐれ1人旅

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最近は歴史にも興味があり、いろいろ調べ
気になった所をまとめ載せていきます。
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一途な慕情、たまきの手紙


ここに一通の手紙がある。

少し長くなるが全文を引用する。


かよう申まいらせ候へハ、

はかり()入候へ供、

一ふて()申まいらせ候、

さてさてゆうせい(祐清)の御事、

かやうに御なり候事、

御いたわしさ、

なかなか申はかりなく候、

又そのおりふし(折節)

まんところ(政所)に候しほとに、

あとの事ハ、

はち()おもかくし申候て候、

さ候ほとに、

ゆうせいのいろいろの物、

人しりたることく、

にんき(日記)おし候て、

まんところとのへ、

まいらせ候、さためて候申あるへく候、

さ候ほとに、

ゆうせいのきかえ(着替)しようしょう、

そのきハきられ候てうしな()ハれ候、

又すこしのこりたるおは、

ほねおもおらえたるしゆんけ(出家)にもまいらせ候、

またあとのとむらいにも申て候、

いさいハかきたて候て申まいらせ候、

このほとなしみ申候ほとに、

すこしの物おは、ゆうせいのかたみにも、

みまいらせたく候、給候ハゝ、

いかほと御うれしく思いまいらせ候、

返す々このよしまんところとのへも、

申まいらせ候、ゆうしの物、人しり候まゝ、

みなみなまいらせ候、このにんきのまゝ、

給候ハゝ、いかほと御うれしく候、

あなかしく、  


たまかき 


くもん所とのへまいる


諸事、お取り計らいたいいただきたく、

かような一筆進上いたします。さて、

祐清があのようなことになったことは、

非常においたわしいことであります。

その時、私は政所におりましたが、

その後事については、恥を忍んで申し上げます。

祐清の遺品については、記録をとって、

荘官らに注し上げましたので、

きっと荘官らから報告があるでしょう。

そのうち、祐清の着物は、事件の際に斬られて、

遺失しました。また、残ったものも、

その後、いろいろ尽力してくれた僧に与えたり、

葬礼の費用に宛てたりしました。

詳しい詳細は、別途報告いたします。

祐清とわたくしは、生前親しくしておりました。

祐清の持ち物を少々、形見としていただければ、

どんなに嬉しいことでしょう。

重ねて、このことは荘官らにも申し上げます。

祐清の遺品は、すべて荘官らにさし上げましたが、

別の書付のとおりにいただければ、

こんなに嬉しいことはことはございません。

あなかしく。


これは、たまかきの手紙である。



















(室町絢爛の日々/集英社発刊)

(一命を賭した荘務ひとすじ/上島有氏執筆)より