塩冶判官の妻 | テンカス・気まぐれ1人旅

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城をはじめ、名所、旧跡巡りが好きです。
最近は歴史にも興味があり、いろいろ調べ
気になった所をまとめ載せていきます。
よかったら覗いてみてください。

塩冶判官の妻序文

「太平記」は戦場にかける男たちの生態を

題にしているので、同じ戦記物語の

「平家物語」と比べても、女性の出番は

極端に少ない。


ある程度のスペースと印象的な筆至を持って

描かれている女性は、せいぜい数人どまりで

その一人が塩冶判官の妻である。


夫の実名は佐々木高貞といい、、建武三年(1336

から暦応四年まで出雲国の守護に任じた人物である。

妻の方の名は明らかではない。


『太平記』に「先帝ノ御外戚早田宮ノ御娘、

弘徽澱ノ西ノ台」とあり、また、

「先帝ヨリ(塩冶判官に)下サレ」

たとみえているから、後醍醐天皇のはからいに

よって高貞の妻となった皇族出身の女性らしい。


歌舞伎の仮名手本『忠臣蔵』では顔世の

名前で登場する塩冶判官の妻はたいへんな

美貌であったという。


そのため、室町幕府の執事として当時権勢

並ぶものない高師直に横恋慕され、

厄介なことに巻き込まれることになる。


高貞夫婦にしてみれば、とんだ災難だが、

かといって、時の実力者に逆らうことはできない。

夫婦は別々の道を辿って本国出雲に

避難しようとしたが、妻の方は播磨の国で

追手に迫られ、せめての抵抗に自害して

果てたと伝えられている。







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太平記絵巻に描かれた高師直

(三時知恩寺蔵)





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高師直図(東京国立博物館蔵)

















塩冶判官の妻・其の弐に続く

日本女性の歴史(塩冶判官の妻/前田詇子氏執筆)

暁教育図書出版発刊より