世間を賑わす人気作家、東野圭吾の推理小説を初めて読んだ。
推理小説ファンからは評価の高い本作も、推理小説嫌いな僕にとっては苦痛であった。
小説にドラマ性を求める僕は、推理小説のゲーム性が苦手である。それでも本作はヒューマニズムを意識しており、だからこそ評価が高いのだといえよう。卒業を控えた大学生の仲間の人間模様が赤裸々に語られており、読み応えある仕上がりだ。だが、学生らしくない言い回しに青春特有の明るさがなく、リアリティに欠ける。
また、一番許せないのは、謎の提起と解説に「図」を用いるという暴挙に出ていることだ。
文字の芸術が小説であり、プロの作家がそれを放棄するのはいかがなものか。文字が多すぎる漫画が許せないのと同様に、僕は嫌いなのである。
とはいえ、本格的推理小説の枠を超えた意欲作であるのは間違いないだろう。
五点満点のうち、3点。