すべらない話に学ぶ | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

今や「松本人志のすべらない話」で常連メンバーとなっている、小藪。



今回の小藪の話をきいて、話術とは何かを見た気がした。





彼の話はストーリー的に面白い話ではない。話術のみで惹きつけているだけである。実は他のメンバーも、基本的には話が面白いものは殆どないのにお気づきだろうか。



小藪の話を要約すると「小学生のころ、普段はしょぼい級友が家で麦茶をご馳走するというステータスによって不遜な態度になっていたが、高級菓子を振る舞う瞬間、菓子から無数の虫が飛び出し、泣き笑いのような顔になった」という話である。



どちらかというとゾッとする話だ。だが観客は笑っている。これが話術たる所以であり、松本人志をはじめとした他の芸人も、大した話をしてはいない。あるあるネタを挟んだり、擬音のみで笑わせたり、つまりテクニックで観客の笑いのツボを刺激するのだ。



だが小藪の話の神髄はこれではない。話の組み立て方の妙だ。



「僕が生きてきた中で、今まで『何とも言いようのない顔』は、小学生の頃に見たのが最高かつ最後」と冒頭に持ってきて、謎を仕掛けておくパターンを彼は得意としている。


聞き手は、いつ「何とも言いようのない顔」とはどのような意味合いの表情なのか、話の展開上いつオチがくるのか、念頭におきながら彼の話を聞いていくのである。


そしていよいよクライマックスにおいて、「何とも言いようのない顔」を出して、その謎を解明させるのである。



笑いとは緊張と緩和による揺さぶりで起きるサプライズ型が主流であるなか、彼のパターンは真新しいものではないが難易度の高い謎解き型である。これらは、小説にもあるパターンであるのだ。



かようにして話芸を分析するのも楽しいものである。かといって、この記事も何かしらの仕掛けがあると思わないで頂きたい。むしろ、まったくオチがないのだ。ゾッとする話である。