KANさんからいただいたプレゼント。万太郎はわくわくしながら包装紙を開いていった。
説明書を読んでみるとどうやら、願いをこめて小瓶のなかに息を吹き込み、精霊流しのように海へ流す。離島に住むぐりとぐらが受け取れば願いが叶うというメルヘンなシステムのようだ。
ここは一笑に付すよりやってみよう。 小説のネタになるかもしれないという浅はかな思いもあり、試してみることにした。
息を吸いこむ。ありったけの願いをこめて小瓶の口に息を吹きこんだ。するとどうだろう。中に入っていた色鮮やかな石が眩く輝きを放ったかと思うと、瞬時に赤黒い邪悪な化身となった。
それは疑いなく、悪魔そのものであった。黒ずくめの衣装に鋭利な尻尾をはためかせ、それはじっと万太郎をのぞき込んでいた。
(ヤムヤム)
話しかけてくる!
万太郎はあまりの恐怖にしばし目を離せないでいたが、贈り主に担がれたことに思い至った。だが万一この悪魔が邪悪なことをしでかすとしたらと考えると、とても手元に置いておけまい。万太郎はそう結論づけ、小瓶に蓋をした状態で川へ流すことにした。
海ではない。たがもう一人の万太郎はこの川が東京湾につながっていることを知っている。そして、その悪魔の顔が自分自身に酷似しているというけとも――。
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