プレゼントをもらった。膝枕がいつでもできるらしい。ふん、寝る暇なんてあるものか。
貧乏暇なしとはよくいったもので、私がまさにその典型例だ。
来る日も来る日もネタがなくて悶絶する。ネタがひねり出たと思ったがすぅと手からこぼれ落ちる。かろうじて手に付着していた残滓で物語を紡ぐのは至難の業で、締め切り後すら残尿感がある屈辱に常に苛まれる。
だがふと気づく。そもそも、ネタがなくて困るのは、私がヘボ作家であるからだ。作家になって先生として扱われたことなど、ただの一度としてない。自分の書きたい話ではなく読者のニーズに合わせ、編集者からは錆びついた機織り機のように扱われ、挙げ句の果てには羽をすべてもがれてしまう。
こんな生活はごめんだ。この枕を使って存分に寝てやろうではないか。
私は捨て鉢になり、ごろんと枕に転がった。
つんと、耳に何か刺さった気がした。まもなくとろんとしてきた。まるで、母に耳掻きをしてもらっているかのように心地よい。耳からドロリと、生暖かい液体が流れているような錯覚に陥った。
嗚呼、私の脳みそが赤い血と一緒に流れているではないか。
まぁ良い。こんなに気持ちよいのなら、いっそすべてくれてやろう――。