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さすがの大沢も、顔色を変えた。「それは、ご勘弁願いたい」
「あなたに拒否権などないのは分かるでしょう。今、僕が[Megadeath]を解放したら、このビルは30分と持ちませんよ」
奥村は、わざと大ぶりな態度で吹き抜けのオープンスペースを見渡してみせた。先ほどまで余裕しゃくしゃくといった風情だった大沢も、徐々に恐怖心に締めつけられているようだった。
「こちらも本気なんです。今ほど日本の運命を握っているときはないでしょうね…お互いに」
「正直なところ、研究者あがりの若造であるあなたに、ここまでしてやられるとは思いもしなかったよ。政治家大沢、一生の不覚だ」
「あなたは政治家ではなく、政略家だからでしょう。その点、孫国家主席も同じ穴の狢です」
最前まで幾分呆けた表情をみせていた大沢だったが、ふと見ると、日本政界のドンとして君臨する者ならではの気迫を吐くかのように、ぎろりと奥村を睨ねつけた。
「私は他人から侮辱されるのが何より嫌いでね。確かに私は中国とのパイプがある。だが彼らを同志と思ったことは一度としてない。
こうなった以上、孫も道連れにしてやろうではないか」
図らずも、奥村の大沢に対する皮肉が政治家としてのプライドに突風を送りこんだようだった。
かくして、歴史に残る、前代未聞の首脳会談が開催される運びとなったのだった。
一方、同じ頃、永沢が仕掛けたハッキング部隊は、沖縄にある四菱製薬のホストサーバーのひとつの攻略に成功していたのだった。
(つづく)
この小説はフィクションであり、作品に登場する団体や個人は実在しません。
《カテゴリー:サスペンス小説、パニック恐怖小説》