【逃走中】第1話 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

何もかもに退屈していたあの頃の俺に言いたい。


リアル版【逃走中】には参加するなと。




リアル版【逃走中】は、大金持ちのセレブが、退屈しのぎに始めた殺人エンターテイメントだ。


参加者は逃亡者とハンターにわかれ、ひたすら鬼ごっこするだけのシンプルなルールだ。鬼ごっこと決定的に違うのは、武器の使用が認められていること、そして。



殺すまでゲームが終わらないということ。


何しろ舞台は治外法権である米軍基地内。ゲームの参加にあたり、戸籍を除籍つまり死んだことにされる。ゾクゾクするほど徹底している。


スポンサーがあまりにデカすぎると思ったのは、今いった話からも充分伝わったかと思うが、当時の俺は自分の腕っぷしに自信があったし、何よりも刺激に飢えていた。


今のまま生きていくのも悪くないが、この能力を使い切れずに腐らしちまうのが許せなかった。



これがそもそもの間違いだった。



俺は沖縄生まれの混血児で、軍のエリートだった父親がとち狂って一夜のアバンチュールを愉しんだ結果、バー店員だったお袋をはらませた。

そのことを聞かされた18の春、俺は父親を探しに単身アメリカに飛んだ。


父親は未だエリートに君臨していた。こいつをぶっ潰してやろうと思った。お袋のおかげでグリーンカードを持っていた俺は、陸軍に入隊した。


そこでの生活はまさに地獄だった。だが地獄をくぐり抜けると俺はグリーンベレーに編隊されていた。俺もエリートになっていた。


俺は当初の目的を忘れ戦地に赴いたが、平和ボケしている現代には、俺の能力は使い切れなかった。


そんなときに舞い込んだこの話。悪くねぇと思っていたんだ、あの頃は。





(つづく)
この小説はフィクションであり、作品に登場する団体や個人は実在しません。