【密室の圧迫】 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

所用で、弁護士の元を訪ねることとなった。


場所は六本木。弁護士など縁のなかった私だったが、行かなければならない。銀座線から南北線に乗り換え、六本木一丁目駅を目指した。


改札口を抜け、蒸し暑い路上に出る。迷いに迷って目的のビルに着いた。


ビル全体が蔓に絡めとられたビルの、禍々しい雰囲気に圧倒された。私なら、絶対に依頼したくない。だが、入らねばならない。息を吐ききると、足を踏み入れた。


事務所は7階らしい。エレベーターのボタンを押す瞬間、無意識が躊躇ったがその時の私は気づかなかったし、また他に選択肢などなかった。


中に入ると押し潰されそうな圧迫感が私を襲った。思わず視線をあちこちにやる。ボタンの脇に、さらに私を不安にさせる貼り紙をみつけた。



「故障中のため各階停止します。ハズレあります」



ハズレ、とは何だろう。不安が私の胃をせりあげる。おそるおそる、7階をおした。


果たして貼り紙のとおり、二階に到着すると、ちん、という耳障りな金属音が鳴り、扉が開いた。


目の前には街金融事務所が、がらんとした受付を開放していた。奥から何かくぐもった声、恐らく怒号が聞こえた。目を背け、閉ボタンを押す。するとビビーッ、というかん高い警告音が響き、なぜか恐怖を覚えた。


幸いにも、事務所の人間は気にしていないようだ。無事三階に進んだ。何もしていないのになぜ不安に煽られるのか分からないまま、扉が開いてしまう。私はボタンを連打していた。


空間の奥に、痩せた男が立ちすくんでいた。


私に気づくと眼を見開き、叫んだ。「待って!入れてくれ!」だが私はすでにボタンを押していたが、どのみち入れる気などなかった。もはや、言い知れない恐怖から逃れることしか考えていなかった。


三階から断末魔が聞こえた瞬間、恐怖と安堵のない交ぜになった感情が私をさらに追い詰めた。


四階はさらに恐ろしかった。三階でみた男が階段で上がってきており、乗りこもうとしたのだ。反射的に男を蹴り必死に身を挺した。


今や膝はガクガクと震え、心臓が掴まれたように痛い。早く7階に着くことだけを祈った。


だが5階に停止すると、なぜか扉が開かない。安心した刹那、エレベーターの天井から「ハズレ、だ!」という怒号が聞こえたかと思うと、地獄絵図のような魑魅魍魎がダクトを抜け私を襲った。


私が消えゆく意識の中で最期に考えたのは、なぜ私はここに