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舘の返答を聞いた奥村は、しばし言葉を失った。
「・・・それでは、私が所長に殺されていたとしても、内閣総理大臣を暗殺した罪を着せられるのですか」
「そういうことになりますな。テロリストは誰でもよかったが、3人のうち、革命家であるあなたが一番センセーショナルでしょう」
「私が死んでいれば、もしくは断れば、台湾への足掛かりがなくなりますが」奥村はやっと声を搾り出すと、舘は不気味な微笑を返し、言った。
「大沢さんはあなたをかっているようだが、私はそうじゃない。だから、三崎君があなたに銃口を向け、いよいよ危ないとなった場合は、本当は救援が入るところを私がとめたんです。まぁ、あなたに選択の余地はないでしょう」
舘は幹事長大沢と手を組んでいること、そして、舘は大沢の指示に逆らっている情報が手に入ったが、奥村はもはや絶体絶命だと感じた。舘は、自分を生かす気などないからこうも軽口なのだと確信したからである。
こうなっては仕方ない。「あの話」で主導権を取り返す他あるまい。奥村は覚悟を決めた。
奥村は、唯一だが一撃必殺である武器をもって舘に立ち向かった。最初は鼻で笑った舘だったが、じわりじわりとその真実性を積み重ね、舘を追いこむと、ついにおびえながら、つぶやきとも取れる空しい反論をした。「ま、まさかそんなことが…あるわけが」
「信じるか信じないかは、あなた次第ですよ。ただし、あなたのこれからの発言が、日本をいや世界を混乱に陥らせしめるのです。さぁ時間はそれほど残されてはいない。どうなさるか決めて下さい」
舘はうなだれ、携帯電話で大沢らしき人物に連絡し、報告した。舘は自分に都合よく話していたが、結論に変わりないことを奥村は知っていた。
案の定、舘は無表情に振る舞おうとしながらそれに失敗していた。歯ぎしりが聞こえるようだと奥村は思った。「それでは、改めてご連絡させていただきますよ」
奥村はそう言うと、ホテルを後にした。
(つづく)
この小説はフィクションであり、作品に登場する団体や個人は実