【パートナーに捧ぐ】第9話 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

ランディの痛みにあえぐ声が診察室に響くなか、オジーとシャロンはバトラー医師と向かい合っていた。





「正直いって、病状は進行しています。そんななか、投薬治療や放射線治療を彼に施すことは、かなりの苦痛を与えます」





「助かる見込みは?」





「成功する確率はかなり低いといえます」





「そんな…あんたが名医だというから、はるばる来たんだ!頼む!あんたの望むものは俺が何とかする、だから、だから…」





オジーは泣き崩れた。シャロンも悲壮な面もちで呆然としているなか、ランディは床にへたりこんで、くぅと鳴いた。





「このまま何もしなければ、半年ともたないでしょう。手術に成功したとしても寛解といわれる状態になる可能性は数パーセントに過ぎません。

「私はこういった場合、患者の意志を尊重したいのです。つまり、



ランディがわずかの可能性にかけても、生きたいかどうか、なのです」





「俺やシャロンは、ランディなしの人生は考えられない」





「しかし、オズボーンさん。ランディはいつか死を迎える。私たち人間と同じように」





「………」





「死は難しいテーマです。正解などないでしょう。しかし、個別に考えると、少なくとも不正解は見えてくるものだと、私は考えています」





「ランディは生きたいと強く望むなら、あなたはどうすべきか…じっくり考えてみてください」







ランディ………







オジーとシャロンは、じっくり考えることにした。その夜は、3人でホテルに宿泊し、家族会議を行った。





しかし明確な結論はでなかった。翌日、オジーは仕事でいったんカリフォルニアに戻らなければならず、やむなくランディは病院に入院させ、シャロンは引き続きホテルに残ることとなった。





2人が入院手続きをしていると、ランディは息絶え絶えになりながらも、2人をじっと見つめているのだった。







見捨てるわけじゃないんだ。



病弱のお前は、今は病院にいたほうが安心だろ?





オジーはランディの頭をなで、彼の目に光る涙をぬぐってやった。





ランディはその時だけは、嬉しそうな表情を見せた。











(続く)







※本作品は、アメリカの実話を元にした小説です。