パニック小説【感染者-Season3-】第3話 | 相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

◆4月17日午前0時10分◆







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救命センターへの奥村の死亡連絡は、どういう訳か外務省の岡本と名乗る人間からだったと、

佐知子は救命センターの人間から聞くことができた。





葬儀も密葬で済ますという。





「スピード」に真っ向から立ち向かった人間に対する仕打ちではないと、佐知子は憤った。





だが国家的危機にみまわれているさなか、

情報はなるべく秘匿したいのだろうことは、佐知子にも想像できた。







せめて、一目、最期の別れを告げたい。







佐知子は一呼吸おくと、大二郎の病室へ向かった。







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奥村を奪われた際に襲撃を受けた大二郎は、救命センターで処置を受け、一泊入院していた。





「久しぶりの夫婦水入らずが病院とはな」





大二郎はまんじりともせず、病室の天井を見つめながら、入室してきた佐知子にそう言った。





佐知子は目で頷いた。伏し目になったが、聞かない訳にはいかなかった。





「奥村君がどこにいるか、調べてほしいの。密葬なんて、あんまりよ」





大二郎の表情は読み取れない。規則正しい呼吸がかすかに聞き取れた。





「…葬式に参加できると思うか?」





佐知子は夫を見据えた。

「できるできない、じゃないわ。彼に関わった誰かが送り出すべきよ。



奥村君はとても優秀な研究者で、研究センターに大きな功績を残した。



この病院でも多くの人命を救ってると思うわ。



そんな人に何もしないなんて、国は間違ってる」





「…正論だな。だが正論を通せる次元では…」





「調べてくれるだけでいい。私もあなたも、彼の将来を潰した責任がある。うちを辞めず、救命センターで働いていなければ、彼は…」





「…わかった。場所を調べるよ」





奇妙なことに、二人は積年のわだかまりが融け始めるのを感じていた。









(つづく)

この小説はフィクションであり、作品に登場する団体や個人は実在しません。